野生動物の宝庫ニュージーランド 社交的で愛くるしい巨体のシーライオン
THE PAGE
機内での食事を済ませ、入国審査カードを記入しようとペンを取った。書き進めると持ち込み物のチェック項目がいつもより細かいことが気になった。 動物性でもない加工食品から、土が付着していそうなシューズ、キャンプ、ゴルフ用品など。機内でも提供された食品は持参せず機内に残しておいてくださいとのアナウンス。牧畜国だからか検疫が厳しいのかと思ったが、そのためだけではなさそうだ。 ニュージーランド、とくに野生の動物が多く見られる南島のオタゴ、サウスランド地方に向かった。
南島オタゴ地方の中心都市ダニーデンから近いオタゴ半島は野生動物の宝庫と言われている。海鳥の中でも最大級のロイヤルアルバトロスや絶滅危惧種のイエローアイド・ペンギン、アシカ、オットセイが生息している。一般に立ち入ることのできるビーチでも見られることはあるが、ツアーガイドに案内してもらうプライベートビーチのほうがその生態をよく観察できるみたいだ。 半島の丘の上から、砂浜に降りるとアシカの一種ニュージーランド・シーライオンが数頭横たわっていた。シーライオンはオットセイと異なり、社交的で仲間同士も仲が良いらしい。太陽が沈みかけた海辺で300kg以上ありそうな巨体同士が戯れ合っている姿を、ファインダー越しに捉え続けた。 (2017年6月撮影・文:倉谷清文) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<野生動物との共存ニュージーランド> 倉谷清文第6回」の一部を抜粋しました。