スルースキル(スルー力)とは?ビジネスパーソンが身につけるメリットと鍛え方【精神科医に聞く】
ネガティブな感情をぶつけられたり、嫌な態度を示されたりしてストレスを溜めているビジネスパーソンは少なくありません。そんな中、ネガティブな言葉や感情を適度に受け流す「スルースキル」(スルー力)が注目されています。ビジネスにおけるスルースキルの必要性と身につけるメリット、鍛え方などについて、SNSでのアドバイスが話題の精神科医Tomyさんに伺いました。
スルースキルとは何を指す?
スルースキル(スルー力)とは、主に他人からのネガティブな言葉や感情などをうまくやり過ごす力のことよ。 仕事をする中で、怒られたり、怒鳴られたりした経験は誰もが持ちあわせていることでしょう。その際、相手からのネガティブな言葉や感情を真正面から受け止めてしまうと、自分も嫌な気持ちになってしまい、物事が前に進まなくなってしまうわ。 もちろん、「怒られた原因」には向き合い、真摯に対応するべきだけど、怒りの感情にまで向き合う必要はないわね。「ああ怒っているな」「嫌なこと言っているな」ぐらいに受け流したほうがいいわ。 そして、くれぐれも怒りをぶつけている相手に寄り添い、心を通じ合わせようなんて思わないこと。社会人たるもの、苦手な相手ともうまく関係性を築かなければ…なんて思う人もいるかもだけれど、無理をしたって余計にストレスになって辛いだけよ。 ◆スルースキルがいま注目されている理由 ある程度「社会慣れ」してくれば、ネガティブな感情をぶつけられても「こういう人もいるな」「こういうときもあるな」とやり過ごせるようになるけれど、社会人経験が浅くて対人交流の機会が少ない若手は、うまくやり過ごせず相手の感情を真正面から受け止めてしまいがちなの。 特に、現在社会人1~2年目ぐらいの若手は、コロナの影響で大学はオンライン授業、入社後も在宅勤務が多くて、直接人と会ったり対面で交流したりする機会が極端に少なかったと思うの。そもそも、物心ついた時からSNSが身近にあった世代だから、ネット上でのコミュニケーションは得意でも、リアルなコミュニケーションに関してはまだ場数が足りなかったりするのよね。だから、他人のネガティブな感情をダイレクトに受け止めちゃって、辛さを感じてしまうの。そういう若手ビジネスパーソンが増えたことで、スルースキルが注目されている側面はあるわね。