スズキ ジクサー150「意外!150cc単気筒でも高速道路は全然怖くなかった」体重75kgで最高速は約110km/h
ジクサー150でワインディング
高速道路を走れる軽二輪で、約38万円で買えて、燃費もいいというウワサのロードスポーツ──スズキ ジクサー150。 まだ子どもの教育費が残っている50代家族持ちには(まさに筆者のことである)、懐に不安なくバイクライフを楽しめる救世主ではないか? しかし、150ccという排気量でどこまで汎用性があるのかも気になる……ということで、ジクサー150を色んな場面でテストしてみる当企画。 【画像23点】スズキ ジクサー150の特徴、足つき、全車体色を写真で解説 40~70km/hあたりの速度レンジで、ジクサー150が生きのよいことを「通勤試乗レポート」で紹介したが、今回は日常からの逃避がてら、週末にワインディングまで足を伸ばすことにした。 場所は都心から2~3時間で行ける奥多摩方面だ。青梅街道を経て国道411号線に入る。何度も走っているルートだが、片側一車線で多摩川沿いののどかな区間に入ると、ツーリング気分が盛り上がってくるもの。オール下道で、ここまで2時間ほど走ってきたが「前下がりの形状で疲れるのでは?」と懸念したシートの違和感は、不思議と尻の痛みにまで進行していない。自分がジクサー150の乗車姿勢に慣れてきたのか? 国道411号から深山橋で国道139号に折れ、そこからすぐに三頭橋で奥多摩周遊道路(都道206号)に入る。ドライブやツーリングの定番ルートとして人気の道だが、ご存知のようにコーナーを攻めるライダーの多さでも知られる。 ここはひとつマイペースで行こうと思いつつ走り出すと……野太いサウンドとともに脇を抜いくビッグバイクたち。ちょっと闘争心じわじわ湧き上がってくる。そして400ccや250ccのスポーツバイクに追い抜かされたところで、後ろについて行ってみた。低中速ワインディングが続くルートだが、うまく行かない。 3~4速を多用し、時にタイトコーナーで2速を使いつつ上りを立ち上がるも、回転数は割と簡単にレッドゾーンに近づいてしまう。レブリミッターが働くのでエンジンを壊してしまう心配はないが、ジクサー150で400cc以上のモデルについていくのはかなり厳しい。 ライトウェイトモデルゆえに切り返しはひらひらと軽く、車体を寝かそうと特に意識しなくても、視線を向けた先に自然と進んでいく。車体のジオメトリーもいいのだろう、ハンドリングは素直だ。 だが、ワインディングを流すだけで意外とエンジンを回し切ってしまうジクサー150の場合、コーナーの立ち上がりで(この時点で6000rpm以上)、さらにトラクションをかけるべくスロットルを開けても余力が残っていない。そこがもどかしいが、安全の神様の啓示だなとマイペースに切り替える。 そして、悟る。ジクサー150は250ccクラス以上のバイクとつるんで走るより、ひとり走りを噛み締めるバイクなのだと。