米次期政権中東特使がカタール、イスラエル両国首相と会談
Andrew Mills Humeyra Pamuk Matt Spetalnick [ドーハ/ブリュッセル/ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米次期大統領が中東担当特使に起用すると発表した実業家のスティーブ・ウィトコフ氏が11月に中東を訪れ、カタールのムハンマド首相兼外相、イスラエルのネタニヤフ首相と個別に会談したことが分かった。情報筋が明らかにした。トランプ氏の1月20日の就任を控え、パレスチナ自治区ガザでの停戦と、イスラム組織ハマスにガザで拘束された人質の解放に向けた外交に乗り出した形だ。 情報筋は、この会談はカタールが重要な仲介役に復帰したことを示していると指摘。ハマスの交渉担当者らが「近いうちに」協議のためにカタールの首都ドーハを訪れる可能性が高いと語った。 米政府高官はトランプ陣営が中東当局者らと連絡を取っていることを認め、「彼らはガザ停戦を支持している」とロイターに語った。 ウィトコフ氏は11月22日、ムハンマド氏とドーハで会談した。会談について説明を受けた情報筋は、「トランプ次期政権の発足後にガザおよび地域の安定化といった他の問題に移れるようにするため、ガザでの停戦がトランプ氏の就任前に必要だという認識で双方が合意した」と説明した。 カタール外務省は、ロイターの確認とコメントの要請に応じなかった。 ウィトコフ氏は続いて11月23日、イスラエルでネタニヤフ氏と会談。イスラエル首相府はロイターのコメント要請に即座に応じなかった。 イスラエル当局者はロイターに対し、ウィトコフ氏がイスラエルの人質の家族にも面会したことを明らかにした。ウィトコフ氏について「トランプ氏のチームが政権発足前に取引を仲介しようと努力していると話していた」と説明した。 トランプ氏は今月2日、ガザで拘束された人質が自身の就任日までに解放されなければ、中東で「地獄を見ることになる」と警告した。 トランプ氏の政権移行チームとウィトコフ氏の代理人は、会談についてコメント要請にすぐには回答しなかった。 米国家安全保障会議(NSC)は、最近数週間のウィトコフ氏のカタールとイスラエルへの訪問を把握していたかどうかとの質問にすぐに答えなかった。 ウィトコフ氏は不動産投資家で、トランプ陣営の献金者となっている。カタールなどの湾岸諸国とビジネス上のつながりがあるが、外交経験はない。 カタールは米国、エジプトとともに何カ月間も間接的な交渉に携わってきたが、目立った成果は出ていない。