「“透け”は気になるが、白は着たい!」毎年困る、夏場の“肌着が透ける”問題…紳士服メーカーが打ち出した解決策とは?
薄着の季節になると多くの女性を悩ませる“透け”問題。クールビズや服装自由化の流れでジャケットを着用する機会が減るなか、白や淡い色を基調とした薄手の衣類では、下着のラインが浮いたり、色が見えたりしてしまうのだ。人に不快感を与える恐れがあるほか、不躾な視線やセクハラの餌食になりかねないこともあり、涼しさを犠牲にしても“透け対策”を優先させる女性も多い。そんななか「洋服の青山」を全国展開する青山商事が、医療用白衣と同等のレベルで透けない白Tシャツを発売し、前年比200%の売上で想定以上の伸びを見せている。いま、女性たちが仕事服に求めるものとは? 夏場の“透け”問題、その背景を取材した。 【写真】どれだけ”透けない”のか? 白Tシャツに手を差し込んでみると…
■トレンドのシアー感、ビジネスシーンでは雑音に
「きちんとした格好をしなければならない、したい、というお客様にとって“透け”は非常に気を使われるポイントだという印象があります」と語るのは、青山商事株式会社商品部の谷本つくしさん。今のビジネスカジュアルにおいて、「透け対策はもはや標準装備」だという。 「弊社がレディース商品を取り扱い始めた当初から“透け対策”は当たり前の品質のひとつで、標準装備されなければならないものでした。例えば、白やベージュなどの明るい色のブラウスには裏地をつけ、二枚重ねにすることで透けを軽減していますし、肌色に近い肌着も販売しています」(谷本さん/以下同) シアー感のある服は現在のファッショントレンドのひとつでもあり、普段着や外出着として“透け”は必ずしもNGではない。ただ、“あえて見せている”のではない場合、だらしないと思われたり、性的な視線にさらされたりすることもあり、ビジネスシーンではどうしても雑音となる。 「お客様からも『下着の透けが気になって仕事に集中できない』『白1枚で着るのは抵抗がある』などの声があると聞いています。取引先ではジャケットを着ていてもオフィスでは脱ぐ方も多いので、脱いでも安心なトップスを着たいという意識はあると思います」 それでは、紺や黒などの濃い色を身に着ければ良いのではないかとも思われるが、白はコーディネートしやすく清潔感があることから、ビジネスシーンでの需要は高い。数種類色の展開がある商品の場合、圧倒的に白が人気で、売り数も倍近くになるという。 そこで、同社が開発したのは、素材1枚で「透けない」を目指すこと。ビジネスシーンで欠かせない「白Tシャツ」においてそれを実現することだった。「"透けない"白Tシャツ」の生地には、高機能素材「BODYSHELL(R)EX」(東レ株式会社)を使い、医療用白衣と同等のJIS防透け指数93.0を達成している。 「医療品と同等のパーセンテージをとれたことで、自信をもって“透けない”と言い切っています。当素材は、特殊粒子が入っており可視光が透過しにくいため、透けを抑制します。さらに、UVカットや遮熱、汗ジミ抑制機能もあるので、1枚でも安心して着用できます」