大正製薬HDが自社買収へ 7千億円でTOB、過去最大規模
大正製薬ホールディングス(HD)は24日、経営陣による自社買収(MBO)を実施する方針を発表した。創業家の上原茂副社長が代表を務める会社を通じ、1株8620円で株式公開買い付け(TOB)を行う。8千万株以上を買い付け、総額が7千億円を上回る巨額MBOとなる見通し。金融関係者によると、日本企業のMBOとしては過去最大規模だという。 傘下の大正製薬は栄養ドリンク「リポビタンD」の販売で知られる一般用医薬品(大衆薬)の大手。大正製薬HDは、株式市場の株主への短期的な利益分配にとらわれず、中長期的に成長を目指すために、非上場化を選択すると説明した。自社通販サイトの強化や海外事業の拡大、社内の報酬制度の抜本的な見直しが必要だと掲げている。 TOB価格は、東京証券取引所スタンダード上場の大正製薬HD株の24日終値5545円を5割以上上回る。巨額のMBO資金は、三井住友銀行からの借り入れで賄う。TOBは27日に始め、来年1月15日まで実施する。株式を保有する創業家の関係者はTOBに応じる方針。