「年収が高い」といわれるのはいくらから?年収1000万円は余裕がないの?
年収1000万円と聞くと、多くの人が「高収入」とイメージするのではないでしょうか。しかし、物価高が叫ばれている現代社会において、年収1000万円で本当に余裕のある生活を送れるのか疑問を持つ方も多いでしょう。 この記事では、年収1000万円の家庭の収支状況や、余裕のある生活が送れるかどうかを解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
日本全国の平均年収
日本全国の平均年収はどれくらいなのでしょうか。国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均年収は表1の通りでした。
国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」平均給料・手当及び平均賞与を基に筆者作成 年収1000万円は、日本全国の平均年収である457万6000円と比較すると、およそ2倍の収入になります。これはかなりの高収入といえるでしょう。 ◆年収が高いと言われる人 正社員とそれ以外を分けて考えると、正社員の平均給与は523万3000円、非正社員の平均給与は200万5000円です。 高収入の基準を平均以上とすると、全体では458万円以上が高収入に該当します。正社員の場合は523万円を超える方、非正社員の場合は201万円を超える方が高収入といえるでしょう。
年収1000万円の人が実際に使えるお金
会社勤めの人の場合、給与のうち実際に手元に残るのは、額面給与の約75%から85%でしょう。年収1000万円の場合、手取りとして実際に手元に入ってくる金額は次のように計算できます。 ・1000万円×75%~85%=750万~850万円 つまり、年収1000万円の場合、手取り額は約750万円から850万円となると考えられます。
年収1000万円は余裕があるとは言えない
年収1000万円と聞くと、多くの人が高収入と感じるでしょう。しかし、実際にはその生活は必ずしも余裕があるとは言えないかもしれません。 先述の通り、年収1000万円の手取り額は約750万~850万円と考えられます。しかし、都市部での生活や子育てが伴う場合、教育費や住宅費などの出費がかかるため、思った以上に厳しい経済状況に直面することもあります。 年収1000万円でも生活が苦しいと感じる理由の一つが、高収入に対する税金の負担です。所得税や住民税、社会保険料などが増えると、手取り額は減少します。高収入でも生活費や教育費、住宅ローンなどの支出が多いと、貯蓄が減る可能性もあるでしょう。