単なるファッションブランド以上の存在に 「ニューバランス」の最新コラボレーター「ブリックス&ウッド」
ダニ・バラザ(以下、ダニ):ケイシーの言う通り、ロサンゼルスで存在感を確立していない「ニューバランス」と手を組むことで、お互いがワンランク上の階層にいけると思っていたから、結果的には大成功だったね。今じゃ、どこもかしこもだけど(笑)。
ーーその中で、3作目のコラボモデルとして“1906 ユーティリティ エコーズ オブ ア バタフライ”を発表されましたが、モデル名にも入っている“バタフライ”を着想源とした理由を教えてください。
ダニ:まず、「ニューバランス」と“1906 ユーティリティ”をベースにコラボすることが決まったんだけど、「何かカッコいいものを作らなきゃいけない」というプレッシャーがあったし、普段デザインする場合はストーリーや背景をベースにしていることもあって、思うようにプロジェクトが進まなかったのね。でもある日、ケイシーと仕事の話をしていたら目の前にチョウが止まって、「こうして私たちが話している小さなことも、思いがけない大きなことにつながるかもしれないよね」と、バタフライエフェクトの話になった流れでチョウを着想源にしたの。
ケイシー:コラボモデルのデザインをする時間が無くて焦っていたのに、まさか飛んできたチョウから全てがスムーズに進むとは思わなかったよ。
ーーロサンゼルスには、こんなにも鮮やかなチョウがいるんですか?それとも、飛んできたチョウと着想源としたチョウは別種ですか?
ケイシー:話をしている時に飛んできたのは、ロサンゼルスによくいるオオカバマダラで、着想源にしたのは別種だね。
ダニ:チョウについてリサーチしている中で、“世界でもっとも美しい鱗翅類(りんしるい)”と称されるマダガスカルサンセットモス(和名:ニシキオオツバメガ)というマダガスカル島にしかいない固有種を見つけて、正式に着想源をチョウにすることになった感じ。マダガスカルサンセットモスは、正確にはチョウじゃなくてガなんだけどね(笑)。