おせちの材料でもう一品。お酒によく合う「ごぼうと牛すじの赤ワイン煮」
料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。 【写真】お酒によく合うごぼうのおつまみ
おせちや豚汁など、冬の料理に欠かせないごぼう。実はさまざまな品種があるが、よく見かけるごぼうは東京・滝の川が原産の「滝の川ごぼう」だ。 「ごぼう特有の土の香りを生かした料理には、私はいつもメルローやピノ・ノワールを合わせてきました。きんぴらをつくると、自動的に赤ワインを開けてしまうくらい(笑)。長いことそうしてきたので、今回は目先を変えて日本酒とのペアリングを。選んだお酒はワインを思わせるような色をしていますが、赤色の古代米からつくられた純米酒。甘酸っぱさと濃厚さを持ち合わせているので、その味が引き立つようなごぼう料理をお届けします」(平野さん)
ごぼうと牛すじの赤ワイン煮
とろりと柔らかい牛すじ煮込み。たっぷりと入ったごぼうは、赤ワイン煮込みを味わい深く、風味豊かな料理にしてくれる。 <材料 4人分> ごぼう200g、牛すじ肉400g、玉ねぎ1個、舞茸1パック、レーズン30g、赤ワイン1カップ、はちみつ小さじ2、醤油大さじ1/2、ローリエ1枚、クローブ3粒、バター大さじ1、塩、こしょう各適宜、青ねぎ適宜 1 牛すじ肉は水洗いをする。鍋に水と牛すじ肉を入れて沸騰させる。1分ほどゆでた後、ざるにあけて水洗いし、食べやすい大きさに切る。 2 圧力鍋に、牛すじ肉、ローリエ1枚、クローブ3粒、かぶるくらいの水を入れて10~15分加熱する。または、普通の鍋で弱火で1時間半ゆでる。 3 ごぼうはたわしで皮をこすって洗い、乱切りにする。玉ねぎは繊維を断つようにして薄切りにする。舞茸は小房に分ける。 4 鍋にバターを熱し、玉ねぎに塩を加えてしんなりするまで炒め、ごぼうも加えて炒め煮する。よく炒め煮した後、牛すじ肉を加えて炒め合わせる。 5 赤ワインを加えてひと煮立ちさせる。牛すじ肉のゆで汁1カップ、はちみつ、醤油、塩を加えて1時間煮る。舞茸、レーズンも加えて30分煮て、塩、こしょうで味をととのえる。器に盛り、青ねぎの小口切りを散らす。
【今月のお酒セレクト:向井酒造 伊根満開】
ロゼワインのような鮮やかな色の新しいタイプの日本酒。京都・丹後の創業260年の造り酒屋で紫小町という古代米でつくられる。「果実のような甘酸っぱさで、肉料理、チーズ、スパイス料理などに合わせてもよさそうです。飲み方も燗、ロック、ソーダ割りもいい。楽しみ方が広がる日本酒です」(平野さん)。 BY YUKIKO HIRANO 平野由希子 素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。