ボルトスレッズは、日用品に使用される素材に対する新たな需要と、バイオマテリアル分野の技術を融合させることで、革新的な技術を生み出しました。より良い素材を生み出すことによって、21世紀の人類が直面する課題のひとつである、より良い世界を作ることに貢献できると信じています。

無限に再生可能なキノコ菌糸体に着目

動物由来のレザーと見た目だけでは区別がつきにくいほど、質感もある

ーMylo™とはどんな素材ですか？ Mylo™は、キノコの菌糸体から作られた見た目も手触りもレザーのような素材です。Mylo™素材はISO規格で天然繊維織物と認められています。

Mylo™の成長過程

ー菌糸体から生まれた皮革代替素材、Mylo™の誕生過程について教えてください。 菌糸とは、土や古木の幹に網の目のように張り巡らされ、無限に再生可能なものです。有機物を分解して近くの植物に養分を供給する重要な役割を担っています。 特にキノコは菌糸の果実とも言われ、菌糸体をスペース効率の良いシステムで栽培することで、栽培面積1平方フィートあたりの収穫量を増やすことができるため、とても効率的に生産することができます。

ラボで栽培されているMylo™の菌糸はマシュマロのよう

私たちはまず、管理された室内環境で菌糸の胞子を採取し、おがくずやその他の有機物を与えます。そのすべてを長方形のトレイに入れ、湿度や温度をコントロールすると潰した大きなマシュマロのようになるんです。

柔らかさもあり、丈夫なのも特徴

その菌糸体を加工したものがMylo™の元素材となり、靴やハンドバッグ、財布、靴下などに使うことができます。Mylo™に使用されている菌糸体は、専門のキノコ農家が100％再生可能エネルギーで稼働する屋内垂直栽培施設で栽培したものです。

ーなぜキノコ菌に注目したのでしょうか？ 一部上述していますが、真菌類に属するキノコは驚くべき生態を持った生物です。その一部である菌糸体は、生命の源となる非常に重要な役割を持つ部分であり、自然のリサイクル業者でもあるんです。 他の生物では分解できないさまざまな物質（リグノセルロースなど）を分解し、それらを栄養分として取り入れる働きをします。 この種の生物の目的適合性については、いくつかの深い技術的理由もありますが、もっとも重要なことは、ファッションの持続可能な未来を作ろうとするならば、「自然のリサイクラー」として知られる生物を利用することが素晴らしい出発点になるということです。