誰でも気楽に、新たな音楽に出逢いに来て 『浅野祥 三味線 “響”』
日本音楽の良さが伝わるコンサートになるはず
――今回のコンサートで楽しみなことはなんでしょう。 曽根さんのようにどっぷりジャズをやってきた方とのコラボでまだ見ぬ音楽に出会えそうですし、そこに弦楽カルテットの豊かな音が加わり、自分自身もお客様も聞いたことのない音楽ができるんじゃないかと楽しみにしています。 また、日本の音楽の良さは曖昧さだと思っています。今回は音楽の根本的なルールの中に曽根さんのような自由な奇才が加わることで、逆に和楽器の曖昧さ・良さを表現できたらと考えています。ただ、西洋に寄りすぎるのも僕が表現したいことと相反する。自分が演奏している楽器の良さはきちんと伝えたいです。絶妙な出演者の組み合わせは、僕としてもかなり期待しています。 ――曲目に関するこだわりはありますか? 自分が大切にしてきた日本の民謡は絶対に入れたいと思っていました。僕は歌も歌うので、身体の中から出てくる日本の歌といったものもやりたいと思って選曲しています。民謡の面白さは、4拍子に当てはまらないリズム。日本人にしかない間だったり、練習しなくてもみんな一本締めができたり。そういったものをこのメンバーの音の上で自由に表現したいと思い、「北千島女工節」なども入れています。 ――クラシックやジャズファンで、初めて津軽三味線を聴きにくる方もいると思います。 不思議なことに、自国の音楽なのに海外の音楽以上にハードルが高いと感じると思います。ただ、津軽三味線は基本的に大道芸。たくさんの芸人さんの中で目立つために速弾きなどの細かなテクニックを奏者がそれぞれ生み出し、アドリブでお客さんの反応を見ながら演奏してきたものなので、本来は堅苦しくありません。 「すごいな」と思ったらその場で拍手や掛け声をしてもいい。自由に楽しんでもらえるのが津軽三味線です。 僕自身、堅苦しさは1mmも出したくない。せっかく素晴らしい音楽家と一緒にできるので、津軽三味線が持つのびのびとした部分も存分に表現していきたいです。仕事帰りに気楽に立ち寄るくらいの感覚で聞いてもらいたいですね。 SNSやYouTubeにも動画をたくさんあげているので、事前に聞いてもらえたら嬉しいです。