米雇用統計に身構える円トレーダー、160円射程圏内で介入警戒
為替トレーダーにとって状況を複雑にしているのは、日本が昨年、急激な円安に歯止めをかけるだけでなく、円の上昇加速を狙って介入する可能性があることを示したことだ。そして、トレーダーが当局の「防衛ライン」について臆測を巡らせる一方、当局者は円安のペースや過度な変動を注視していることを示唆している。
もっとも、ラボバンクの為替戦略部門責任者、ジェーン・フォーリー氏はリポートで、ドル・円相場が「説得力を持って下落するには、市場が日銀の金融引き締めが差し迫っているとより強く懸念する必要がある」と指摘する。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、今月23ー24日の日銀会合での利上げの予想確率が30%台にとどまっている。
米雇用統計以外で、フォーリー氏は来週14日に予定されている氷見野良三副総裁の講演が日銀の意図に関するヒントを得る上で重要とみる。
植田総裁は6日、経済・物価情勢の改善が続けば利上げを続ける方針を改めて表明したが、具体的な時期については示唆を避けた。
(c)2025 Bloomberg L.P.
Mia Glass, Masaki Kondo