[山口県]災害時、離島に支援物資を 能登地震教訓、県や下関市が配送訓練
災害発生時に避難所へ確実に必要な物資を届けられる体制を整えるため、県や下関市は13日、支援物資配送訓練を実施した。1月に発生した能登半島地震を教訓に、7回目となった本年度の訓練では陸路だけでなく空路と海路を初めて使って離島に物資を運ぶ手順を確認した。 能登半島地震では道路網が寸断されるなどして孤立集落が多数発生した。県内でも同様の事態が中山間地域や離島で起きることが懸念されるとして、陸上自衛隊第13飛行隊と門司海上保安部にも参加を求めて、ヘリコプターと船舶で下関市の離島・六連島まで生活に必要な物資を届ける訓練を行った。 県北西の日本海で地震が発生し、特に下関市では道路路肩の崩壊など甚大な被害に見舞われ、避難者数が多数に上ったため、市の備蓄だけでは物資が不足し、さらに孤立した六連島では島民の避難が難しく、食料などに困っているとの想定で実施。関係者ら約40人が参加した。 県庁の地下倉庫にある備蓄物資を業者が4トントラックで下関市向洋町のJ:COMアリーナ下関まで陸送。市職員が種類別に整理した後、六連島用の物資を再びトラックに積み込んで運び、同じ敷地内のセービング陸上競技場に到着した陸自のヘリと同市岬之町の岸壁に接岸した船舶に毛布や飲料水、アルファ米の段ボールを載せた。 このうち同競技場では1箱50食入りのアルファ米の段ボール18個を職員が手分けしながら着陸したヘリに積み込む訓練を行い、職員も同乗して六連島へ飛び立った。島では自治会関係者や職員が避難所となった市六連島漁村センターに搬入した。同島には9月末現在で38世帯76人が暮らしている。 配送訓練は、2016年の熊本地震時に避難所に支援物資が届かない事態が発生したため、17年度から県が市町や民間事業者と連携して毎年実施している。県防災危機管理課の山本英昭課長は「災害がいつ発生しても大丈夫なように、関係機関との連携や手順を訓練を積み重ねながら確認し、実効性を高めたい」と話した。