鹿島学園の左腕・大窪健介が7回9奪三振の好投! 覚醒の裏にあったのは、元プロ大物コーチの指導【春季関東大会逸材分析】
<春季関東大会:鹿島学園2-1樹徳>◇18日◇1回戦◇上毛敷島球場 今年の関東大会開幕戦は鹿島学園が2対1で樹徳を破り、開幕戦を制した。 勝利の立役者となったのは、左腕・大窪 健介投手(3年)。テクニックが長けた左腕だった。セットポジションから始動し、右腕のグラブを閉じるように突き出してスリークォーター気味に投げる独特の投球フォームをしている。 【トーナメント表】春季関東地区大会 結果一覧 ストレートは常時120キロ後半~134キロ程度。突出した球速ではないが、手元で切れる球質で高めで空振りを奪うことができる。110キロ前半のスライダー、100キロ台のカーブは手元で沈み、上手くタイミングをずらしている。 この試合では低めに変化球を集めてカウントを整え、追い込んでからは高めのストレートで三振を奪ったり、ストレートに狙いを絞っている打者に対してはスライダーで空振りを奪ったりと、打者の狙いを見て投球ができていた。7回を投げて、9奪三振、1失点の好投。直球、変化球のコンビネーションが抜群だった。 この春から主戦投手へ成長したが、きっかけはベイスターズで監督経験があり、NPB球団の投手コーチとして手腕を発揮した尾花 高夫氏が2月からコーチに就任。尾花コーチから足を上げる時、身体が反る癖を直すために、セットポジションで前傾姿勢で投げるフォームにしたところ、制球力が大きく改善し、県大会でも好投を魅せた。 大窪は「試合を楽しむことをテーマにしていたので、自分の投球が出来て嬉しい」と喜んだ。 171センチ66キロと華奢な体型。しなやかな腕の振りをしていて、現時点でも130キロ中盤の速球を投げられる能力はあって、キレの良いストレートを投げる。大学では大きく化けて、140キロ中盤の速球で勝負出来る投手になるかもしれない。将来、大化けの要素を秘めた逸材だった。