吉岡里帆、荻上直子監督との出会いは吉岡秀隆主演のNHKドラマ「緊張されてましたよね」(荻上)
『かもめ食堂』『めがね』にはじまり、昨年世に放った『波紋』と、人気と評価を得続けている荻上直子監督。堂本剛へのあて書きからスタートした最新作『まる』でキャストのひとりに名を連ねる吉岡里帆とは、脚本を担当した2017年放送のドラマ作品で出会っていた。今度は監督とキャストとして、久しぶりに再会し、タッグを組んだ。そんなふたりが語る「THE CHANGE」とはーー。【第2回/全5回】 ■【画像】吉岡里帆、映画『まる』10月18日の公開初日舞台挨拶で挨拶する様子 ――吉岡さんは、もともと荻上監督のファンだったそうですが、最初におふたりがお会いしたのはいつになりますか? 荻上監督(以下、荻上)「あのときは、何年前でした? 8年前ですかね」 吉岡里帆(以下、吉岡)「お会いしたのは、それくらい前だと思います」 荻上「そんなに昔でしたか」 吉岡「デビューから数年のときに、吉岡秀隆さん主演の『朗読屋』というNHKのドラマに出演しました。その作品の脚本が荻上監督だったんです。あるとき、スタジオに監督がいらっしゃると聞いて、“嬉しい!”とご挨拶に行きました」 京都での大学時代より、俳優での活躍を目指して、東京の養成所に行き来する生活を送っていた吉岡さん。2015年に上京し、その年の6月から放送されていたNHKドラマ10『美女と男子』の第10話から登場して印象を残した。荻上監督が脚本を務めた『朗読屋』は、山口発の地域ドラマとして2017年1月にNHK-BSにて放送された単発ドラマ。 荻上「緊張されてましたよね」 吉岡「それはもう緊張してました(笑)」
すごくステキな、可愛らしい子だなと(荻上)
――そのときのことを、おふたりともよく覚えてらっしゃるんですね。 荻上「覚えてますよ。すごくステキな、可愛らしい子だなと思いました。そのときから好きでしたよ」 吉岡「私はその前から大好きでした。荻上監督の脚本だと聞いて、すごくテンションが上がってしまって。ミーハーだと思われたらどうしようと思いながらも、“ここを逃したらもうご挨拶できる機会はない!”と会いに伺いました」 ――そのとき、監督にファンだということは。 吉岡「伝えられなかったと思います。緊張しすぎてしまって。今回の『まる』も、とにかく監督に“この子を選んでよかった”と思ってもらえるようにと集中していたので、現場では伝えていないです」 ――監督は吉岡さんとの再会に感じたことはありましたか? 荻上「顔つきから、もう全然違いましたね。最初にお会いしたときは、すごく緊張されていて、少しおどおどした感じもありました。そこから久しぶりにお会いして、“女優さんになってるな”と。全く印象が違いました。経験を積んで芯が太くなっている感じがありました」 荻上監督との最初の出会いから、再会までの間に、吉岡さんは転機となったドラマ『カルテット』をはじめ、高い評価を受けた主演映画『見えない目撃者』など、多くの作品でキャリアを積み、緊張した新人さんから、押しも押されもせぬ人気女優になっていた。 荻上直子(おぎがみ・なおこ) 1972年2月15日生まれ、千葉県出身。94年に渡米し、南カリフォルニア大学大学院映画学科で映画制作を学ぶ。2000年に帰国。04年に『バーバー吉野』で劇場映画監督デビューし、第54回ベルリン国際映画祭・児童映画部門特別賞を受賞した。06年の『かもめ食堂』が大ヒット。その他の主な監督作に映画『めがね』『僕らが本気で編むときは、』『波紋』など。最新作は堂本剛を主演に迎えた『まる』。 吉岡里帆(よしおか・りほ) 1993年1月15日生まれ、京都府出身。2016年、NHK連続テレビ小説『あさが来た』の第108話から登場。丸メガネの「のぶちゃん」として一躍注目を集め、翌年放送の『カルテット』(TBS)で一気に知名度と評価を得るとともに、人気を獲得していった。近年の主な出演作に、ドラマ『時効警察はじめました』『しずかちゃんとパパ』『時をかけるな、恋人たち』、映画『ハケンアニメ!』『アイスクリームフィーバー』『ゆとりですがなにか インターナショナル』『怪物の木こり』など。最新公開作に『まる』。待機作に『正体』。2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』への出演も発表されている。 望月ふみ
望月ふみ