新生エディージャパンが収穫1敗発進 山本から根塚で超速トライ イングランド相手でも片りん見せた
リポビタンDチャレンジカップ2024(22日、日本17―52イングランド、国立)世界ランキング12位の日本代表は、5位のイングランド代表に17-52で完敗した。対戦成績は日本の12戦全敗。昨年のW杯フランス大会後にエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、64)が9年ぶりに復帰して初の試合を白星で飾れなかったが、コンセプトに掲げる「超速ラグビー」でトライを奪取。8人が代表デビューを飾るなど、新生ジャパンが今後への可能性を示した。 昨年のW杯フランス大会3位イングランドの壁は高かった。日本のジョーンズHCは35点差の完敗を受け入れつつ、新たな船出に前を向いた。 「非常に残念な結果で悔しいが、大きな糧を得ることはできた。いい方向に向かっている」 ジョーンズHCが復帰後、初のテストマッチ。開始2分にSO李のPGで先制し、4万4029人が詰めかけたスタンドを沸かせた。しかし、相手の厳しい防御に反則やミスが重なり、失点を重ねた。それでも3-45の後半26分に「超速ラグビー」を体現した。 敵陣右22メートル付近でのラインアウトから代表デビューのFL山本が相手防御を突破し、インゴールまで2メートルに迫る。そこから2キャップ目のWTB根塚が左大外で瞬時に空いたスペースを突き、チーム初トライを奪った。 判断とプレーのスピードで相手を上回り、根塚は「『超速ラグビー』で、自分たちの形で持っていけば(トライまで)いける実感を持てた」とうなずいた。その3分後にはFB山沢がトライし、昨年のW杯ではノートライの12-34で屈した強敵に一矢報いた。 4強入りを狙う2027年W杯オーストラリア大会に向け、大幅に若返った日本。この日は早大2年で20歳のFB矢崎ら8人が初めて桜のジャージーに袖を通した。 フル出場したFLリーチ主将は、15もの連続攻撃でゴールに迫った前半序盤を挙げて「『超速ラグビー』は少し見えた。今後は(時間を)どんどん伸ばしていきたい」と語り、決意を込めた。「若手が出てきてトップと戦えた部分はたくさんあった。必ずこのチームは強くなる」。新生エディー・ジャパンが大きな可能性を示して、一歩を踏み出した。(石井文敏)