「大谷翔平は“あなた”にとって何を意味するのか」元マッキンゼー・コンサルタントが見解「例えば一流シェフの料理、有名建築家の建物、トップ歌手の絶対音感のように…」
キャリア初のプレーオフに出場しているロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平は、日本はもちろん、米メディアやファンから大きな注目を集めている。元マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントで、『Master of Change』などのベストセラー著者、ブラッド・スタルバーグ氏は、米誌『New York Times』への寄稿で大谷の魅力について見解を示した。 【画像】50-50だけじゃない!大谷翔平が2024年レギュラーシーズンで刻んだ“栄光の名場面”を厳選写真で振り返る! 「オオタニは“あなた”にとって何を意味するのか」。人間のメンタルヘルス、幸福、持続可能な卓越性について研究、執筆をはじめ、アスリートへのコーチングも行なっているスタルバーグ氏は、「オオタニが今レギュラーシーズンに成し遂げた成績は一見、一般人には達成不可能な手の届かない現象に思えるかもしれない。しかし、芸術、自然、その他のさまざまな美と同じように、私たちはこの種の偉大さに触れることで、それが呼び起こす畏敬の念だけでなく、運動能力が低い人に対しても、人生でより多くのことが達成できるような刺激を与えてくれると評価できる」と記した。 「私たちはオオタニのような最高のパフォーマンスを発揮する選手にインスピレーションを感じ、そのインスピレーションをモチベーションにして自分自身の目標に向かって努力し、自分自身を最大限に生かすことができるのだ」 大谷のようなプレーが実際にできなくとも、パワー溢れる本塁打や盗塁といった最高のパフォーマンスを観るだけで、一般の人たちを日常から解き放ち、何が可能であるかを気付かせてくれるという。 「例えば、一流シェフの料理を味わったり、有名建築家の素晴らしい建物を見て回ったり、ジャンルの超えたトップアーティストの絶対音感を聞いたりすることに似ている。これらの例で共通しているのは、何らかの偉大さに触れることで、創造し、進歩し、繁栄したいという衝動を思い出すことだ」 スタルバーグ氏は、「オオタニの偉大さを考えるもう一つの方法は、自己決定理論というレンズを通して考えることだ」と説明。「1980年代に心理学者のリチャード・ライアンとエドワード・デシによって開発された自己決定理論は、有能さや熟達度、つまり自分が費やした努力を遡って追跡できる具体的な進歩の感覚が、人間が繁栄するための基本的なニーズのひとつであるとしている」と記載した。 なぜ人々は他人の偉大さに惹かれるのか。なぜ日々、追い求めることで元気が出るのか。 「偉大さは、チーム、伝統、家系など、自分よりも大きな何かとつながっているときに、最も満足感を得られる傾向がある理由も説明したい。この場合、オオタニの業績が孤立して達成されたのではないことが重要だ。彼の素晴らしいシーズンは、チームの一員として、そして彼の前にいた何世代ものアスリートたちとのつながりの中で展開されている。彼は唯一無二の存在だが、同時に自分よりも大きな何かの一部でもあるのだ」 キャリア初のポストシーズン初戦で3ランを放ち、ドジャースを勝利に導いた大谷は、しかし、サンディエゴ・パドレスとの地区シリーズ第2戦では4打数無安打と精彩を欠いた。それでも日米メディアやファンは、大谷のあらゆる言動に注目している。はたして大谷は現地10月8日に行なわれるパドレスとの第3戦で、どのような偉大さを見せてくれるのだろうか。 構成●THE DIGEST編集部
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