シンガー・ソングライター、白井貴子 ロックに男女なんて関係ない 45周年は通過点、終わらない〝永遠のロックの女王〟の伝説
「45周年のツアーはこのメンバーと一緒に回ります」と語る表情は誇らしげでもある。
人気絶頂期の88年、事務所を辞めて渡英した際、「長期休養か?」と周囲は騒いだが、「実は楽曲の創作はずっと続けていたんです」と明かす。
「その頃は世界発信する音楽を作りたい」と意気込んでいたが、「ロンドンで暮らしてみて、日本人であることのアイデンティティーに気づかされた」と振り返る。
そして、渡英から2年後に帰国。
「黒い髪に黒い瞳…。日本人として世界に発信できる音楽があるはず。日本でやり残したことがまだある。海外から日本や自分を改めて見つめ直すことができました」
65歳になったが、「まだまだ歌いますよ。同世代や、さらに年上の人たちに私の歌で元気になってほしいから」と自らを鼓舞する。「年齢での引退は考えていない」とも。
ロンドン時代に作ったという楽曲の中には、まだ未発表のままの〝幻の新曲〟もある。「10曲以上はあるから、いつかニューアルバムで発表できれば」。ニヤリと笑みを浮かべながら夢の構想を膨らませる。
45周年なんて、まだまだ通過点に過ぎない。〝永遠のロックの女王〟の伝説は終わることはないのだ。
(ペン・波多野康雅 / カメラ・須谷友郁)
■白井貴子(しらい・たかこ) シンガー・ソングライター。1959年1月19日生まれ、65歳。神奈川県出身。81年、レコード会社のオーディションに合格し、「内気なマイ・ボーイ」でデビュー。84年、「Chance!」が大ヒット。ロックバンド「白井貴子&THE CRASY BOYS」を結成し、バンド活動を展開。11月1日、デビュー45周年を記念するキックオフライブを大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで開催する。