阪神を自由契約…巨人でつかんだ"居場所" 31歳助っ人右腕の活躍が話題 「巨人に来てくれてありがとう!」
巨人は天王山とされた9月23日の阪神戦(甲子園)に1-0と勝利。ベテラン・坂本勇人の決勝適時打、僅差のゲームを守り切った投手陣の奮闘も実り、リーグ優勝に向け「M4」とした。 【動画】これぞ、ベテランの意地!7回に代打で登場した坂本が適時打を放ったシーン 両軍無得点で迎えた7回。先頭の吉川尚輝、続く岡本和真の連打で無死一、三塁の形を作るとベンチはこの日、相手先発左腕・高橋遥人にタイミングが合っていなかった大城卓三を外し、代打で坂本勇人を送り込む。 22日の試合では得点圏で3度凡退。この日はスタメンを外れていたベテランは追い込まれてからノーステップ打法に変更し、5球目の外角直球を右前へ運んだ。難敵・高橋を打ち崩し殊勲の決勝打を放った。 また試合では1-0のロースコアを守り切った投手陣の奮闘も光った。中4日で登板した先発のフォスター・グリフィンは丁寧に投げ、5回4安打無失点。再三、走者を出しながらも要所で宝刀スライダーの制球力で阪神打線を封じ込めた。 力投を見せたのは6回から2番手で登板したカイル・ケラーにもある。0-0としびれる展開の中、先頭の大山悠輔にいきなり二塁打を浴びるも、後続3人を抑えて、無失点。7回に味方が先制すると回またぎとなった7回のマウンドにも上がり、木浪聖也をニゴロ、渡辺諒を内角高めの直球で空振り三振、近本光司に対しても力のある内角の直球で左飛に打ち取った。 その後もチームは8回をアルベルト・バルドナード、9回を守護神の大勢が締め、ゲームセット。移籍後初の回またぎとなったケラーは古巣相手の力投で初勝利をマークした。 また、昨オフ、阪神から巨人にケラーの移籍が決まった際には大きく話題を集めた。 ケラーは阪神在籍時の初年度はクローザーを任されるなど、活躍。2年目の23年シーズンも27試合に登板し、防御率1.71と安定感抜群の投球を披露していたが、家庭の事情でシーズン途中の8月に帰国。その後、ポストシーズンも含め、チームに合流できなかった。12月となり、保留者名簿から外れたことが分かった巨人が獲得に動いたとされる。 宿敵球団どうしの移籍とあって、そのパフォーマンスが注目されたが、ケラーは150キロ超の直球と多彩な変化球のコンビネーションも冴え、後半戦に入って「勝利の方程式」に定着。今季は49登板し、1勝2敗、20HP、防御率「1.64」(23日現在)と救援陣の一員として、しっかりチームを支えている。 人柄の良さも知られており、日ごろから古巣への感謝の気持ちも欠かさない。ナイスガイな助っ人右腕をめぐってはSNS上でも「巨人に来てくれて、本当にありがとう!」「ケラーさんいてくれて助かってます」という声や「阪神ファンだけど、ケラーが活躍しているのを見ると嬉しい」など、両球団ファンから温かい声援の声が向けられている。 チームにとっても近年の課題であったブルペン整備が果たせたことでV奪回への道が見えてきた。背番号33の力投に今後も注目が高まりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]