高浜七年祭、450年の歴史に焦点 町郷土資料館で9月1日まで企画展
夏季企画展「高浜祇園会とその歴史~高浜七年祭~」が福井県高浜町郷土資料館で開かれている。6年に1度行われる、同町宮崎の佐伎治(さきち)神社の式年大祭「高浜七年祭」の開催を来年6月に控え、450年以上続く祭りや神社の歴史を、文書や道具約20点で紹介している。9月1日まで。 室町時代後期の連歌師・里村紹巴(じょうは)の日記「紹巴道の記(天橋立紀行)」は、祭りが開かれたと記す最も古い史料。1569年6月19日に記した記録には、「高浜祇園会」と記載がある。現在と祭りの呼び名が異なり、京都の祇園祭と同様に疫病を鎮める御霊会(ごりょうえ)の性質を持つことが分かる。時代を経て、呼称が変わっていった。 江戸時代の祭りの記録が残る「七年大祭記録」では、当時は3月の節句の日に中ノ山、東山、西山区がくじを引き、初日に神社を出発する順番を決めていたとある。現在は中ノ山、西山、東山区の順と決まっており、様式が異なる。 佐伎治神社の由緒や祭りについて書かれた「佐伎治神社記録」には、江戸時代に東山神輿(みこし)を大阪、京都に買い求めた経過が記されている。氏子を頼って購入し、担いで帰ってきたといい、現在まで使われているとされる。 このほか、各区が巡行の際に掲げる扁額(へんがく)や、西山区が奉納する獅子頭など、祭りで使用される道具も展示されている。東山の御旅所で使用されるろう台は、250年以上前から使われており、13本のろうそくをさすことができ、独自に作られたと推察される。 午前9時~午後5時。火曜休館。一般200円。