【ラグビー】開幕戦から出場の齊藤聖奈(チーフス・マナワ)と永田虹歩(ブルーズ・ウィメン)。第2戦で直接対決なるか
ふたりとも16番のジャージーを着てベンチスタートだ。後半のスクラムで組み合うシーンがあるかもしれない。 ニュージーランド(以下、NZ)『SUPER RUGBY AUPIKI』(女子/スーパーラグビー アウピキ)の舞台で、日本選手同士の対決が実現しそうだ。 3月9日(土)、オークランドのチーフス・マナワとブルーズ・ウィメンが戦う。前者には齊藤聖奈が所属し、後者には永田虹歩がいる(ともに三重パールズ)。 揃ってベンチスタートも、開幕から2戦続けてメンバー入りを果たした。 ふたりは3月2日の開幕戦にも出場した。齊藤はハリケーンズ・ポウア戦(46-24)にNO8で先発し、永田はマタトゥ戦(24-17)の後半途中からピッチに立った。 マナワとブルーズの両チームはプレシーズンマッチでも対戦している。しかしその時は、両選手の出場時間が重ならなかった。 齊藤はNZに渡航し、約1か月の時間を過ごして開幕を迎えた。 現地に到着してすぐに強化キャンプに参加。トレーニングはハードで、パン中心の食生活に体重が減った(74キロが70キロに)。 しかしキャンプ終了後、自炊によって米食の生活となったことでコンディションが整ったという。 チーフスは参加4チームの中でも、独自のスタイルにこだわっているチームだ。 予定した型の通りに動くことをヨシとしない。試合中、瞬間瞬間の状況を見て、どう攻略するか考える。スペースのある場所と、そのアイデアを全員が伝え合い、プレーを遂行する。 言葉の壁がある齊藤にとっては、ストラクチャーのない中で機能することは簡単ではなかった。 開幕戦の先発出場が伝えられたのは試合の4日前。他選手たちより一日早かったのも、ヘッドコーチ(以下、HC)が語学力を配慮してくれたからだ。 迎えた3月2日の初戦。緊張の第一波はハカを演じる時間だった。 それを「みんなと何度も練習してきたので」と乗り切った齊藤は、思っていたより平常心でキックオフを迎えた。 前述のように、瞬時の判断と共有コールを大事にするスタイルの中で奮闘した約60分(後半20分前までプレー)を振り返り、「自信を持って判断し、プレーする、という自分の強みを出し切るパフォーマンスではなかったと思います」と話す。 「ブラックファーンズ(女子NZ代表)の選手も多く、フィジカル面の強さ、スピード面のレベルがとても高いチームです。抜けた選手のサポートにつくのも大変」と言う。 しかし、そこにあるのは深刻さより、高いレベルの中に身を置けている充実。アスリートして幸せだ。 開幕2戦目は「HOでどれだけやれるか見てみたい」というHCの考えのもと、16番のジャージーを着てベンチスタートとなる。 「体の芯に響く」というフルコンタクトの練習がくり返される日々はハードも、帰国時に強さを増しているのは間違いない。