京本政樹、天国の盟友・渡辺裕之さんから役継承 8・8開幕舞台『シーボルト父子伝』シーボルト役、3周忌の命日に出演決意
俳優でシンガー・ソングライター、京本政樹(65)が、8月8日に東京・銀座の博品館劇場で開幕する舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」(同11日まで)に出演し、故渡辺裕之さん(享年66)が演じたシーボルト役を引き継ぐことが19日、分かった。一昨年5月3日に急死した故人とは40年来の付き合いで、3周忌の命日に出演を決意。「天国のナベさんに笑われないように頑張る」と誓った。 【写真】「シーボルト父子伝」のポスター。京本らしいスタイリッシュな演技が期待される 渡辺さんの遺志を胸に京本が友情伝をつむぐ。 「シーボルト父子伝―」は、江戸時代末期に来日したドイツの医師で日本に西洋医学を広めたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトと2人の息子の生涯を描く舞台。2020年に初演され、渡辺さんは主人公の次男・ハインリッヒの父・フィリップ役で2年連続出演。22年8月の公演も参加予定だったが、本番3カ月前の同5月3日に急死した。 辰巳琢朗(65)が急きょ代役を務め、シーボルト来航200年を迎えた昨年も続投。毎年無事に上演を重ねてきたが、ハインリッヒ・シーボルトの没後115周年記念がタイトルの冠に付く今年は、男装で同役を演じる主演女優で脚本・演出も務める鳳恵弥(えみ、43)が物語を一新。渡辺さんの3周忌を迎えた節目でもあり、父のシーボルト役は〝盟友〟の京本にオファーされた。 渡辺さんとの交流について京本は「デビュー時から四十数年」と説明。映画、ドラマで多数共演した2人の最後の作品は、2019年の映画「牙狼<GARO>―月虹ノ旅人」だった。 京本が出演、主題歌に加え、プロデュースも務めた同作のシリーズでは、出演者による音楽ユニットも結成。渡辺さんもドラムで参加した。 公私ともに親しかった故人が大切に演じたシーボルト役を引き継ぐまでに京本は悩んだことを告白。「渡辺さんが演じた(劇中での)役回り、キャラクターも全然違っていましたからね。これが(得意の)時代劇だったらまだしも、シーボルト役のイメージもつかなった」と生真面目ゆえに断る選択肢も考えた。 そんな中、背中を押したのは渡辺さんだ。「共演した作品のDVDを見ているうちに、不思議なことに何か引き合わせのようなものを感じるようになって…。しかも、出演を決心したのが今年の御命日(5月3日)でした」と運命を感じた。