子どもの“新しい居場所”に 「にじいろはうす」が開所 鴨川(千葉県)
さまざまな境遇にある子どもたちと、地域住民が交流できる施設「子ども第三の居場所・にじいろはうす」が鴨川市花房に完成し、10日に開所式が行われた。ひとり親世帯や親の共働き、経済的理由などで子どもたちが孤立しやすい放課後の時間を過ごす、家でも学校でもない“新しい居場所”で、関係者は「子どもたちの成長を地域で支える、心地よい居場所にしたい」と語る。 一般社団法人「にじいろはうす」(加藤惠子代表理事)では、子どもたちに居場所を提供し、将来の自立に向けて「生き抜く力」を育む日本財団の「子ども第三の居場所」事業の助成を受け、約5000平方メートルの敷地内に、木造平屋建て延べ約230平方メートルの建物を建設。子ども第三の居場所としては全国で240カ所目、安房では初となる。 建物は六角形で、小中高生が自由に過ごせる「第三の居場所」の他、コミュニティーカフェや障害児を受け入れる放課後等デイサービスなどを併設し、障害の有無や家庭環境に関わらず、子どもたちが安心して過ごせる居場所にすることを目指す。 「第三の居場所」は、毎週月、木、金曜の午後2時半~7時に開設。定員は20人で、元教員やソーシャルワーカーら8人が、常勤・非常勤のスタッフとして対応し、学習する場や生活習慣を身に付ける機会などの他、食事も提供する。
コミュニティーカフェ(にじいろカフェ)は、午前10時~午後6時に営業(月、木、金曜は2時半まで、土日祝日は休業)。地元食材を使った飲食を提供する。加藤代表理事は「地域の人たちに利用してもらうことで多くの世代が交流でき、子どもたちにもプラスになるので、ぜひ足を運んでほしい」と期待を込める。 この日のセレモニーには、日本財団や市などから来賓約30人が出席。加藤代表理事が「子どもを中心に、支える大人たちの居場所にもなるようにと考えている。さまざまなイベントを企画し、皆さんに気軽に立ち寄ってもらえる施設に育てていきたい」とあいさつし、テープカットで開所を祝った。 開所式の後には、地元の団体によるダンスや合唱などの発表、駄菓子や雑貨などを販売するマルシェもあり、大勢の人たちでにぎわった。 同法人は、昨年4月から不登校などの小中学生を支援するフリースクールや、障害児支援の相談事業などを同市打墨で運営。その経験やノウハウを生かしながら、事業を展開していく予定で、加藤代表理事は「今後、行政と連携しながら、官民共同で継続的に子どもたちを支援できるよう尽力していきたい」と意気込んでいる。 (安藤沙織)