「大学進学することが本当に申し訳なくて……」10代が苦しむ教育格差の現状
2020年、ユニセフによる「先進国の子どもの幸福度」の調査における「精神的幸福度」で日本は38カ国中37位という結果が発表されました。 【マンガ】3兄弟の母が痛感した「子供の話を聞く」の意味 この結果を受けて、NHKは2022年5月に「君の声が聴きたい」というプロジェクトを開始しました。「若者たちが幸せを感じていないのはなぜか? 幸せを感じるには何が必要か?」をテーマに、番組には想像を超える数の声が寄せられました。 番組で声を募集するにあたり投げかけた質問は2つ。 「もしひとつだけ願いが叶うとしたら、あなたは何を願いますか?」 「大人や社会に対して、言いたいこと、お願いしたいこと、こうしてほしいと言うことはありますか?」 実はプロジェクト初回に寄せられた声で一番多かったのは、「お金がほしい」という悩みでした。豪邸に住みたいとか、高級車に乗りたいという理由でなく、「ただ、お金の心配をせず安心して暮らしたい」という切実な思いからくるものです。 働き詰めの親を見て将来の日本に絶望する声や、国の制度に対する声など、どこにぶつければ良いかわからない怒りにも似た声が多く寄せられました。 発売を記念して制作側の思いやリアルな声を本書より抜粋してお届けする第3回は『君の声が聴きたい』(双葉社)よりお金についての声を抜粋してお伝えします。
奨学金を返すことで精一杯になる未来
奨学金を借りなくても、大学や専門学校に行けるように国が補助してほしい。今(2023年)の総理は、外国にばっかりお金を配って日本のためにまったく使っていない。若者の意見をもっと聞くべきだと考えるからです。 また、少子高齢化社会の今、もっと若者が子どもをつくりたくなるような政策をしてほしい。自分も奨学金を借りる予定なので、返すことで精一杯になって、子どもがほしくても、つくる余裕がないと思ったからです。 まい(17歳・女性・滋賀県)
塾へ行かないと追いつかない教育
公教育にお金をかけてほしい。 塾へ行かないと、受験レベルまで教育が追いつかないなんて、日本の教育ってなんなんだ! と思う。 税金を公教育に使ってください。私たちには未来があり、この先何十年も生きていくためには自立しないといけないから。 チャンス(16歳・女性・埼玉県)