連載「lit!」第79回:BE:FIRST、JO1……秋以降のボーイズグループシーン、個性豊かな楽曲群
IMP.、MAZZELもグループの勢いをさらに増す楽曲群
IMP.「SWITCHing」 IMP.は、10月13日にデジタルシングル「SWITCHing」を配信リリース。Billboard JAPANダウンロード・ソングチャート(集計期間:2023年10月16日~18日)では首位に位置づけた(※3)。シンセサウンドに乗せて四つ打ちで展開するビートが縦ノリを誘うダンサブルな楽曲でありながら、Bメロでは美しい旋律が際立つ歌声が耳を飽きさせない、言わば、どのパートをとっても美味しい1曲だ。MVではビリヤードが置かれた部屋やシアターのような場所を背景に、魅惑的な表情を見せるメンバーのラップとボーカルを交互に楽しむことができる。さらに、今回は同時にリミックスバージョンもリリース。原曲よりも音圧を下げて軽快さをプラスしたことで“さわやかな朝”を感じられる「SWITCHing early Remix」と、イントロからキックを加え、音の長さにアレンジを加えたことで“きらめく太陽”をイメージした「SWITCHing day Remix」の2曲と聴き比べながら、本楽曲の新たな表情に触れることができるのではないだろうか。IMP.は12月8日にもミステリアスな雰囲気が漂う「I Got It」をデジタルリリース。楽曲を出すたびに新しい姿を見せている。 MAZZEL「Carnival」 BMSG所属のMAZZELが10月18日にリリースした2ndシングル『Carnival』の表題曲は、重厚感あるビートにメンバー8人のカラフルな歌声が映えるミステリアスなHIPHOPナンバーだ。デビューシングル曲「Vivid」や『Carnival』収録のカップリング曲「LIGHTNING」などと同じく、HYBE LABELS JAPAN所属のALYSAがプロデュースする本楽曲のテーマは、聴く人をMAZZELの世界観に誘なう“Welcome to the carnival”。それを可視化するように、MVではまるでサーカスのショーを見ているような不可思議な光景が繰り広げられ、1人ひとりが輝くエンターテイナー性を持った彼らの魅力を存分に引き出す作品となっている。一方で、彼らの歌声を“カラフル”と表現したくなるのには理由がある。例えば、本楽曲のサビ前だけでも、中音域を響かせるRANから伸びやかで芯のある歌声のKAIRYUへ、そしてエッジボイスを効かせたRYUKIの〈Wel・come・to the・show〉――と、8人それぞれが異なった声質を持ちながら、見事にボーカルのバトンが繋がっていくのもMAZZELの大きな強みだ。結成2年目を迎えてますます奔走する彼らの音楽を来年以降どのような形で受け取ることができるのか、楽しみにしていたい。 ※1:https://www.tiktok.com/@hss_senshuken/video/7306773917400698120 ※2: https://www.tiktok.com/@hss_senshuken/video/7301689909637647623 ※3:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/130973/
風間珠紀