マイラーズCで展開が向く馬は…

テレビ東京の競馬中継で解説を24年務め、数万レースを見てきた元JRA騎手・吉沢宗一さん。プロの視点でメンバー構成などから展開を描き、"未来予想図"をつくります！ 今週はマイラーズカップ(G2、京都芝1600m)。展開面での攻略ポイントはこの2つです。 攻略ポイント ＜1＞隊列はすんなり決まり平均ペース ＜2＞平坦コース、開幕馬場なら前有利 舞台は今週から開幕する京都競馬場の外回り。若干の雨予報が出ているようですが、開幕馬場ならどの馬も走りやすい状態と見てよさそう。 逃げ馬らしい逃げ馬はいませんが、⑰エエヤンはノビノビと自分のリズムで走ることに専念できた前走が強い内容でした。ここも良いイメージを持ったまま、外枠から行き切るでしょう。こんなタイプだから急かせず立ち回れる大外枠も好都合だと思います。 これに①トゥードジボンや③セリフォス、⑥ビーアストニッシド、⑬セッションあたりが続きます。どれも⑰エエヤンに競り掛けるイメージはなく、平均ペースで流れると想定しています。 ただ、先行馬や中団待機組もずっと前を楽にさせるつもりはありません。前を射程圏内に入れた状態で直線勝負に臨みます。平坦コースの開幕馬場なら勝負所で「先行集団の一角」が絶好ポジションとなります。 [絶好ポジション本命候補] ⑭ソウルラッシュ 昨年の3着馬で、秋には同コースのマイルCS(G1)で2着と実績、コース適性ともにメンバー屈指です。安田記念を見据える立場ですが、それでもこの段階からしっかり攻めて仕上がっています。 [絶好ポジション逆転候補] ③セリフォス 折り合いがカギではありますが、川田騎手なら先行ポジションで押さえながら乗ろうとするでしょう。立ち回りとしては、内々で運んで最後は前を交わしながら⑭との勝負というシンプルなもの。そう簡単には止まらないはず。 [絶好ポジション逆転候補] ⑬セッション 前走は一旦はハナに立ったところを⑰エエヤンに被されリズムを崩し、4コーナーでも外から来られて、自分の競馬が上手くできませんでした。今回は外目の枠で、手の合う坂井瑠騎手なら好位で無理せず収まれるはず。 中間の印象は、前走よりも素軽くて脚の回転力もあって好調時にあると見ています。ここで即巻き返す可能性は十分にありますよ。 [展開注目馬] ⑰エエヤン 力任せに走って押し切りたいタイプで、逃げられなかったらどうしようもないですが、大外枠ならやりたいことは叶いそう。M.デムーロ騎手もこの馬の好走パターンは熟知しています。 感覚的な話ですが、馬が自信を付けてきた印象で、一時期のトンネルからは抜けました。道中で楽をできる時間が長くなればなるほど圏内に残れる可能性が高まります。 (元JRA騎手)