「公式絵文字」にムーミンは登場する?フィンランド外務省に聞いた
フィンランド政府が4日、世界初の「公式絵文字(emojis)」を発表した。サウナに入る裸の男女など「フィンランドらしさ」を表現した政府公式の絵文字(emojis)は大きな反響を呼び、英BBC、米CNN、ロイター通信などのメディアに採り上げられた。なぜ今回「公式絵文字」を作ったのか、フィンランド外務省のパブリック・ディプロマシー担当、ペトラ・シーマン課長に取材した。
「日本とフィンランドに国民性の共通点」
今回フィンランド政府が制作した絵文字は30種類以上。4日の発表では、サウナをする裸の男女や、「壊れない」という意味の絵文字として「Nokia3310(フィンランド企業ノキアが出した世界で最も売れた携帯電話)」、髪を振り乱すヘビメタファン「ヘッドバンガー」の3種類の絵文字が公開された。12月1日から、各アプリストアで無料でダウンロードが可能だ。 今回フィンランド外務省が絵文字(emojis)という手段を選んだことについて、シーマン課長は「(絵文字は)まだ始まったばかりの国際的な現象で、コミュニケーションの大きな変化だと思います。フィンランドでもそうです。私には13歳と16歳の娘がいますが、彼女たちが絵文字を使って作ることのできる文章に、私はビックリしています」という。
絵文字は1990年代に日本で誕生し、若者の間で携帯電話でのやりとりに使われていたが、2000年代に入りスマートフォンとソーシャルメディアの普及とともに世界中に広まり、「新しいコミュニケーションの手法」として注目を集めている。2013年には「オックスフォード英語辞典」に絵文字(emoji)が、自撮り(selfie)らの語とともに追加された。 日本発祥の「絵文字」が、フィンランドでも人気になっていることについて、シーマン課長は、「日本人とフィンランド人には、特に感性や精神的な面で、特別なつながりがあると私はいつも考えています。両国の人々はどちらも、『短くて、簡潔で、視覚的な』コミュニケーションを好むようです」と両国の国民性の共通点を強調した。
「ムーミン」は含まれる?
日本では、絵文字のリストにフィンランド発祥の「ムーミン」が含まれるか話題になっているが、シーマン課長は「最終的な絵文字のリストは、ビッグ・シークレットですが、もし今回公開された後に何かが欠けていると思っても、来年の春には次の絵文字のシリーズを発表しますよ」と期待を持たせた。 シーマン課長は「(12月1日に同時公開される)フィンランド政府公式の『クリスマスカレンダー』()は日本語でも見られるので、ぜひチェックして下さいね」と日本の読者にメッセージを送った。最終的にどんな絵文字が含まれるのか、目が離せない。 (中野宏一/THE EAST TIMES)