スタートアップ企業 成長の裏に「昭和レトロ」?
今週のけいナビの特集は、北海道内のスタートアップ企業について。スタートアップとは、アイデアを事業化して急成長を目指す企業のこと。このスタートアップを支援する拠点が最近、札幌に相次ぎ開設され注目を集めている。 番組MCの杉村太蔵さんが今回訪れたのは、昭和の喫茶店のような雰囲気が漂う「社交場ヤング」という場所。札幌の街角にあるのかと思いきや、実はここ札幌市役所の19階。カフェスペースとして使われていた場所を改装した。 「早速コーヒーでも」と思ってしまったのだが、飲食物は提供していない。ことし6月に起業家支援の場として開設された。支援業務を担当するスタートアップ北海道実行委員会が運営する。起業を目指す人や既に起業した人たちで連日にぎわっている。 実行委員会の調べによれば、道内のスタートアップ企業の資金調達額は2020年は23億円だったが、その後順調に増えことしは9月末の時点で106億円に上っている。藤間恭平事務局長は、「ITやGX(グリーントランスフォーメーション)、宇宙、農業に関連する起業が多いのが北海道の特徴」と説明。1社で100億円もの資金を集める企業も出始めているという。
スターアップとして起業して成長し、スタートアップの支援を行うようになった企業もある。デジタルサイネージの製作などを手掛ける札幌の会社、ネットドアだ。現在力を入れているのが、自動ドアに様々な映像を映し出すことができる製品の販売だ。 ネットドアが、JR札幌駅そばのビル内にことし5月に開設したのが「ディープ・テック・コア・サッポロ」という施設。会員制のコワーキングスペースで、AIを活用したビジネスを志す起業家の育成拠点として利用されている。 様々な機能があるのだが、圧巻は「xRスタジオ」という空間。ゴーグルをかけずに3D体験ができる場だ。床と壁の4面に設置されたLEDパネルが様々な映像世界を映し出す。その世界に入り込んで撮影などができる仕組みだ。藤田知直代表は「映像制作のノウハウをここで伝えようと思っている。スタートアップを支援しそこが成長すれば自社のビジネスパートナーとなる可能性もあり、そうした面に期待している」とする。
杉村さんは、スタートアップとして創業した企業がスタートアップを支援するという好循環が生まれているとし、「北海道、札幌は規模の割にはまだスタートアップが少ないという印象。金融面の支援体制を強化して発展していってほしい」と期待を込めた。 (2024年10月5日放送、テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)