大谷翔平、18&19号連発もドジャースは苦境 ベッツが左手骨折で離脱
【ロサンゼルス16日(日本時間17日)=山田結軌、丹羽美佳子通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)は「父の日」に行われたロイヤルズ戦に「2番・DH」で出場し18、19号の2打席連続ソロをマーク。3―0の勝利に貢献した。ただ不動の1番打者ムーキー・ベッツ内野手(31)が死球で左手を骨折し、離脱が決定。17日(同18日)の敵地でのロッキーズ戦で1番に入る予定の大谷は「みんなでカバーしていくしかない」と主力としての覚悟をにじませた。 【写真】本塁打を放った大谷はブルペンで待機する投手陣に向けて、右人さし指を挙げた 甲高い打球音と大歓声が同時に響いた。父の日のデーゲーム。大谷は三回、完璧なスイングから放たれた放物線を見上げながら本塁打を確信した。4試合ぶりの本塁打となる18号先制ソロ。ドジャースタジアムに詰めかけた5万2789人のファンを総立ちにさせた。 「あそこ(中堅左)の方向に飛距離が出ることがまずいい状態。気持ちいい感覚だった」 中堅左のスタンド中段に飛び込んだ飛距離137・5メートルの一発を自賛。5月5日にマークした141・4メートルに次ぐ今季2番目の飛距離だった。 昨年は15本塁打を放った得意の6月。先頭打者で迎えた六回は初球、内角低めのカーブを完璧に捉えて右翼席へ122メートルの19号ソロを放った。次打者のフリーマンが10号ソロで続き、7回無失点と好投した先発右腕グラスノーを援護した。 1試合2本塁打は5月5日以来今季2度目で、2打席連発はドジャース移籍後初めて。ナ・リーグ本塁打王争いでは、20本を放ち1位のオズナ(ブレーブス)に1本差に迫った。前日は内野ゴロ3つの無安打。ロバーツ監督は「少し(体を)回しすぎている」と指摘していたが、この日は見違えた。特に三回の一打は大谷ならではの逆方向への強烈な当たり。「毎日話し合いながら、工夫している。数少ない甘い球を打てて良かった」と充実感を漂わせた。 チームはカード勝ち越しを決めて貯金を15とした。ただ、この日は大谷が「欠かせない選手」と評す不動の1番打者、ベッツが七回の死球で左手を骨折。山本も負傷者リスト入りし、前半戦の復帰が厳しくなった。救援陣にも離脱者が多く、いくら戦力の厚いドジャースとはいえ、痛手は大きい。特にベッツは打率・304、10本塁打をマークし、強力打線をけん引していた。 代わりに1番を務めるのが大谷だ。今季出場した70試合のうち、69試合で2番を担った大谷の打順を上げるかと問われたロバーツ監督は「それがまず最初の考えだ」と説明。大谷はベッツら故障者が相次ぐ状況を「チーム全体にとってはタフな瞬間」と神妙に語った後、すぐに顔を上げた。「何とか、みんなでカバーできるように頑張りたいし、早く戻ってこられるように祈っています」と話し、チームリーダーとしての自覚をのぞかせた。
12連戦の折り返しとなる6試合を終えて3勝3敗。17日(日本時間18日)からは、標高約1600メートルに位置し、打球が飛びやすいコロラド州デンバーでロッキーズと4連戦を戦う。〝打者天国〟と呼ばれるクアーズ・フィールドで量産態勢に入り、チームの苦境を救う。