伊達公子さんが2度目の現役引退で会見(全文1)痛みと闘う毎日だった
気持ちと体のバランスが崩れてしまったことが引退の大きな決断に
最終的に引退を決断しなければいけなかった大きな理由というのは、やはり自分の体の問題であり、気持ちは本当に限界というものをつくらず、やり続けたい、不可能なことはないと自分でずっと思い続けてやってきたのですが、どうしてもやっぱり気持ちと体のバランスというものが崩れてしまったことが引退の大きな決断となりました。 昨年の4月に膝の軟骨、骨軟骨移植の手術を受けてからは常に朝起きると、今日の足の状態はどうかな、腫れてないかな、痛みは感じないのかなといつも気にする毎日でした。その中で練習をしてきた日々なんですけれども、リハビリをしていたときには本当にもう数センチの段差すら怖くて、左の足で踏み込む、階段を上る、階段を下りる、そのような日常生活すらできなかった自分が、リハビリを続けていくことでもう一度コートに立てたというのはすごく、コートに立ってプレーができたということはすごく、自分の中でも大きな成果でした。その過程を考えると本当に最後の最後までコートに立ち続けることができてプレーができたことは本当に幸せだったし、最後の引退試合にはたくさんの方に見届けていただける中でプレーを終える、コートに立ってプレーをした姿を皆さんと共に共有することができたということを考えると、最後の大会にした会場を東京にして本当に良かったなという思いがいっぱいでした。 本当にテニスというスポーツに出会えたこと、そしてたくさんの出会いがあったこと、そのようなことが本当に私にとっては、とてもとても大きなもので、自分がここまでファーストキャリア、そしてブランクを経てセカンドキャリアでやってきたこと、全てに対して私自身、自分自身でも誇りに思ってやってきたつもりです。そのテニスという世界からプレーヤーとして去らなきゃいけないことは悲しいこと、残念なことではあるんですが、それと同時に今は本当に自分の体の心配を毎朝しなくて済む解放感と、そこに少し安心感も得ながら、引退してからちょうど1週間がたったんですけれども、過ごしています。 これまで応援してくださった方々にも、そして今日来てくださった皆さんにも、テニスを応援してくださった方々にも、最後に皆さんに感謝を申し上げたいと思います。 【連載】伊達公子さんが2度目の現役引退で会見 全文2へ続く