「巨人エースの系譜」戸郷翔征24歳ノーヒットノーラン…懸念は「球数かさみがち問題」山本由伸の“2回とも102球ノーノー”と比べると?
山本由伸のノーノーは2回とも102球。戸郷は?
抜群のスタミナがあるということだろうが、投球数が100球を超えれば投手の肩肘のリスクは幾何級数的に高まるといわれる中で、懸念すべき傾向である。 これは「エースは何球投げても完投するもの」という原辰徳前監督の方針によるものと思われるが、戸郷本人も意気に感じて球数を投げてしまうのだろう。 戸郷はMLB挑戦を考えているといわれるが、この球数はMLBでは必要とされない。 NPBではノーヒットノーランの可能性が高まれば、球数が増えても続投させることが多いが、MLBでは球数がかさめば降板させるのが当たり前になっている。 山本由伸の2年連続ノーヒットノーランは、2試合ともにわずか「102球」での記録達成だった点がMLB関係者に高く評価された。昨年、9月9日のロッテ戦での山本の快挙を見たヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが感嘆の声を挙げたのは、球威、球種に加えて102球、1イニング当たり11.33球という極めて効率的な投球だったからだ。 今回、戸郷のノーヒットノーランは123球での達成だった。戸郷からすれば多い球数ではなかったかもしれないが、山本の記録に比べればかなり多い。阿部慎之助監督は戸郷に「投げまくる」ことを期待していないように映るが、今後の展開に注視したい。 戸郷は、2018年ドラフト6位で巨人に入団。大阪桐蔭から中日1位の根尾昂、ロッテ1位の藤原恭大、金足農から日本ハム1位の吉田輝星(現オリックス)に比べれば、はるかに地味な存在だった。しかし今やこの世代の「エース」と言ってよい。それだけにステップアップへ向けて「効率的な投球」を追求してほしい。
週間記録セ:ヤクルト村上が本領を発揮
【2024年5月20日~5月26日 週間成績】 〈セ・リーグ〉 ・今季成績 阪 神48試25勝19敗4分 率.568 広 島43試22勝17敗4分 率.564 巨 人48試23勝21敗4分 率.523 中 日47試20勝22敗5分 率.476 DeNA46試21勝24敗1分 率.467 ヤクルト46試18勝26敗2分 率.409 ・8週目の成績 中 日5試3勝1敗1分 率.750 広 島6試4勝2敗0分 率.667 DeNA6試3勝3敗0分 率.500 巨 人5試2勝2敗1分 率.500 阪 神6試3勝3敗0分 率.500 ヤクルト6試1勝5敗0分 率.167 中日が盛り返して3勝1敗、広島がこれに次いで3球団が五分。ヤクルトが一人負けになった。 〈打撃成績5傑〉※打撃の総合指標、RC=Runs Create順 小園海斗(広)24打10安1本2点 率.417 RC6.36 村上宗隆(ヤ)21打6安2本4点1盗 率.286 RC5.95 宮﨑敏郎(De)20打7安1本3点 率.350 RC5.71 末包昇大(広)25打8安2本4点 率.320 RC5.65 オースティン(De)18打7安1本3点 率.389 RC5.30 ヤクルトの村上が2本塁打、三塁打、二塁打と本領発揮。本塁打は村上、広島の末包の本が最多。打点は広島の野間峻祥の5、盗塁は同じく矢野雅哉の4が最多だった。 〈投手成績5傑〉※リーグ防御率に基づくPR=Pitching Run順 戸郷翔征(巨)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.31 ケイ(De)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.05 才木浩人(神)1登7.1回 責0率0.00 PR1.88 大竹耕太郎(神)1登1勝7回 責0率0.00 PR1.79 メヒア(中)1登1勝7回 責0率0.00 PR1.79 戸郷は5月24日にノーヒットノーランを達成。DeNAのケイは5月21日ヤクルト戦で8回零封。救援ではDeNA森原康平と広島の栗林良吏が2セーブ、阪神の石井大智と桐敷拓馬が3ホールドを挙げた。
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