「巨人エースの系譜」戸郷翔征24歳ノーヒットノーラン…懸念は「球数かさみがち問題」山本由伸の“2回とも102球ノーノー”と比べると?
沢村、堀内、槙原、菅野…戸郷もその系譜に
東北楽天ゴールデンイーグルスは2005年の球団創設以来、ノーヒットノーランを記録した投手はいない。巨人の18回は、ダントツの最多だ。 史上初のノーヒットノーランはプロ野球のリーグ戦が始まった1936年9月25日、甲子園で行われたタイガース対巨人戦で、巨人の沢村栄治が記録した。つまり今回と同じカードである。2例目も翌1937年5月1日、洲崎球場で行われた巨人対タイガース戦で、また沢村栄治が記録したもの。 しかし巨人が阪神戦でノーヒットノーランを記録したのは、それ以来。つまり87年ぶりとなる。 沢村栄治、ビクトル・スタルヒン、中尾輝三、藤本英雄、堀内恒夫、槙原寛己、杉内俊哉、菅野智之と錚々たる投手が巨人のユニフォームを着てノーヒットノーランを達成してきた。戸郷もその系譜に連なったといえよう。 ただし、巨人歴代最多勝(221勝)の別所毅彦、沢村賞3回の齋藤雅樹、江川卓などは記録していない(別所は南海時代に記録)。実力に加えて「運」の要素も大きいとわかる。
戸郷で気になるのは…何度かある「極端に多い球数」
戸郷翔征について、気になっているのは「球数」だ。 〈2020年以降の戸郷のシーズン投球数とそのリーグ順位、1イニング当たりの投球数〉 2020年 1814球(9位)/107.2回 16.85球 2021年 2584球(3位)/151.2回 17.04球 2022年 2806球(2位)/171.2回 16.35球 2023年 2715球(1位)/170回 15.97球 2024年 930球(3位)/58.2回 15.85球 戸郷は中6日というローテーションを維持しているので、登板回数は標準的。また、1イニングあたりの投球数も「目標」とされる15球に向けて少しずつ減少していて、効率的な投球になってきている。 しかし戸郷は、シーズンに何度か、極端に多い球数を投げる投手でもある。 〈2023年、両リーグの先発投手の1試合当たりの投球数10傑〉 149球/戸郷翔征(巨)8月3日ヤクルト戦9回○ 145球/小笠原慎之介(中)3月31日巨人戦7.2回 143球/戸郷翔征(巨)5月9日DeNA戦9回○ 143球/戸郷翔征(巨)6月30日阪神戦8回 140球/戸郷翔征(巨)9月8日中日戦10回 139球/伊藤大海(日)9月25日楽天戦8.1回● 138球/戸郷翔征(巨)6月7日オリックス戦7回○ 138球/今井達也(西)4月13日ロッテ戦9回○ 136球/今永昇太(De)8月29日阪神戦7回 132球/隅田知一郎(西)8月9日日本ハム戦9回○ 10傑のうち5つは戸郷、140球以上投げた5例のうち4例が戸郷だった。
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