「バッチグー」「バリ3」若者研究第一人者が指摘「“あなたの流行語”が若者にウケない理由」
■ズック、パンタロン、半ドンに若者はきょとん
ガラケー時代には当たり前のように使われていた「バリ3」。“絶好調”という意味でも使われたが、今や若者には伝わらない。 「携帯電話の画面で電波状態が最良の印としてアンテナが3本表示されることから生まれた言葉ですが、今は3本でもありませんからねぇ……」(前出40代/男性=建設業) 購入代金を月ごとに支払う「月賦」も、今では「死語」の仲間入りを果たした。 「令和の時代、“ローン”や“分割払い”が普通の言い方ではないでしょうか」(40代/女性=飲食店勤務) 移り変わりの早いファッションの世界。その中にも「死語」となっている言葉は多い。元は着物をかけるのに使っていた「衣紋掛け」。転じてハンガーを指しても使っていた。 「和服をかける本来の“衣紋掛け”も、今では“和風ハンガー”なんて呼ばれているそうですね」(50代/女性=地方公務員) 「“ズック”履いていきなさいよ」といったフレーズも、若者には通じない。 「“スニーカー”や“上履き”と言ってください。“ズック”は親世代が使っていたのを知っているくらいです」(20代/女性=運輸業) 「パンタロン」を知っている層はさらに少ないようだ。1970年代に流行ったパンタロン(ラッパズボン)だが、 「丈の長いブーツを履けるので“ブーツカット”と呼ばれています、ちなみに裾の広がりが大きいものは、“ベルボトム”。使い分けていますね」(30代/女性=服職業) 仕事後のプライベートな時間を「アフター5」と呼ぶ上司もいるだろうが、そもそも5時で終わる仕事が少なくなった今では、世代間ギャップが現れる。 「遊園地の夕方からの割安チケットを“アフター5”と言ったりします。職場で“アフター5は何するの?”と聞かれたとき、何を聞かれているか分からず困りました」(20代/女性=医療事務) また、“午前就労・午後休み”を指す「半ドン」。若者も意味だけは知っていても、その語源はしばしば誤解しているようだ。 「昔は正午に太鼓を“ドン!”とやったのだろうから“半ドン”かと思っていました……(笑)。“休日”を意味するオランダ語(ドンタク)が語源なんですね」(前出20代/女性=金融業) 最後に前出の原田氏は、最近の流行語でさえ若者には「時代遅れ」と思われていると警鐘を鳴らした。 「毎年の『新語・流行語大賞』ですら、若者にとっては“今さらだ”と感じられるものがほとんどです。コロナやパワハラ問題もあり、言葉をはじめとした“上の世代の価値観”を若者が理解する機会が消えています。これからは、我々大人が若者へ現役世代のことを教える歩み寄りを見せてあげても良いかもしれません」 世代間の言葉のズレは、価値観のズレにもつながっているのかもしれない。 「痛い」大人にならない振る舞いを心がけるついでに、若者の価値観に寄り添ってみるのも良いだろう。
ピンズバNEWS編集部