<私の恩人>感動秘話!加藤浩次 俺のすべてはコイツから始まっている
■交通事故で資金難に 救ってくれたのが東藤だった …そんな中、事故を起こしてしまったんです。冬の北海道ですから、雪で路面が凍結してて、前を走ってたトラックに追突してしまった。幸い、体は大丈夫だったんですけど、車は壊れてしまった。そんな車は売ることができないし、直してから売るにしても、修理代が20万円と言われたんで、車を直すと貯金がなくなって上京する資金がなくなってしまう。 困り果てて、東藤に「…どうしよう」と言ったら、土建屋で貯めた全財産20万を何も言わずに渡してくれたんです。19歳の20万円。大金じゃないですか。でも、それがなかったら、東京にも出てこられなかったし、その後の出会いや出来事はなかったわけですから。…あそこでお金を出してくれたことの意味を、年をとればとるほど、強く感じています。 ■多くを学んだ親友との青春時代 おかげさまで、そのタイミングで東京に出て、20代後半になる頃にはお金が入りだしました。ただ、アイツ、何回返すと言っても、受け取らないんです。 どうしたらいいのか、いろいろ考えましてね。今、東藤は東京でジンギスカンの店をやってるんですけど、それを開店する最初のお金は、俺が出しました。ま、一緒にやろうかなんて話を言ってて、「最初は俺が出すわ」って貸すことになっただけなんですけど。20万円よりは、大きな出費になりました(笑)。 正直、あいつから多分に影響を受けてます。 “やるって言ったらやる” “絶対に裏切らない” “仲間を助ける” 口に出したら恥ずかしいんですけど、人間形成の一番大切な時期に、出会ったのが東藤でよかったなと思います。今の俺を作ってくれてますから。 恩返しですか…。基本的には、どちらも互いの前では絶対に弱音は吐かない。だからこそ、20万円の時は、向こうがすべてを差し出してくれた。だから、もし、アイツが困ったと言ったら、その瞬間、絶対に助ける。それだけです。 (聞き手・文責/中西正男) ■加藤浩次(かとう・こうじ) 1969年4月26日生まれ。北海道出身。本名・加藤浩二(読みは同じ)。高校卒業後、89年2月に佐藤B作が主宰する「劇団東京ヴォードヴィルショー」の研究所「闘魂塾」に入団。同期として出会った山本圭一、櫻庭博道とお笑いトリオ「極楽とんぼ」を結成する。同年8月に加藤と山本は「闘魂塾」を退団して吉本興業に入り、お笑いコンビ「極楽とんぼ」としてデビュー。06年、山本が女性トラブルで吉本興業から専属契約を解除された後はピンとして活動。現在、日本テレビ「スッキリ!」、フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」、TBS系「スーパーサッカー」などに出演中。コントライブ「イルネス共和国」(2014年2月22、23日、東京・銀座 博品館劇場)には、加藤のほか、マンボウやしろ、「ロバート」秋山竜次、「平成ノブシコブシ」吉村崇、「おぎやはぎ」矢作兼、俳優・六角精児が出演する。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年大阪府枚方市生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。現在、関西の人気番組「おはよう朝日です」に出演中。