【衆院選】「裏金問題」に揺れた静岡3区と“震源地”ともいわれた8区 それぞれ戦いの“てん末”は…
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
裏金問題で揺れた磐田市、掛川市などの静岡3区。 (無所属・静岡3区 宮沢 博行氏) 「禊(みそぎ)は済んだではなく、まさにこの戦いが禊だと私は思っている」 裏金問題や女性問題で、自民党を離党し議員辞職した宮沢博行氏が無所属で出馬したことで、自民の山本裕三氏とは、“保守分裂”の構図となりました。謝罪行脚の日々を過ごした宮沢氏。これまでの組織戦とは違う選挙になりました。 (無所属・静岡3区 宮沢 博行氏) Q.自民党時代とは違いますか? 「違いますね。でも、それがいいんですよ。すべて整えられると、遊説カーを降りて握手することもできない」 一方の自民・山本氏。“大物議員”が続々と応援に入りますが、見えてきた厳しい情勢に…。 (自民・静岡3区 山本 裕三氏) 「かなり厳しいと覚悟して出馬していますので、まあ、実際、数字でみるとしんどいっすね…」 Q.宮沢さんの出馬については? 「そこに関しては全く私は何も思ってない」 投票の結果は、立憲の小山展弘氏が、自民の山本氏に3万票余り、宮沢氏には5万票余りの差をつけて当選しました。出口調査によれば、自民党支持層の約4割が山本氏、約3割が宮沢氏に投票。山本氏と宮沢氏の票を合わせると9万9000票余りで、小山市の票を上回る計算となり、保守票の分裂が互いの大きな敗因となってしまいました。 (無所属・静岡3区 落選 宮沢 博行氏) 「本当に多くの人に支えられた選挙戦だったが、今回こういった結果になりましたこと、本当に私の不徳の致すところ。誠に申し訳ございません」 28日は、街頭で有権者に感謝を伝えた宮沢氏。今後の政治活動に関しては、「熟慮していく」ということです。 (無所属・静岡3区 落選 宮沢 博行氏) 「それは数日かけてゆっくりと考えていく。特に政権の枠組みですよね。政権の枠組みをしっかり見ないといけない」 一方、安倍派の座長だった塩谷立氏の地盤である静岡8区は、自民党に強い逆風が吹きました。ぎりぎりまで無所属での出馬に意欲を示していた塩谷氏が、突然、政界引退を表明したのは9月に入ってから。その後任として名乗りを上げたのが稲葉大輔さんでした。ただ、浜松市議時代の地盤は7区で、8区での知名度は低い上、公明党の推薦も得られず…。頼ったのは“塩谷氏の支援者”でした。 (自民・静岡8区 稲葉 大輔氏) 「地域では、本当に皆さんに愛されている先生の後継というには身分不相応で、全然力足りませんが、いろいろご支援ご指導いただきながらやっていきます」 (塩谷 立氏) 「難しいよ。そりゃ簡単な話ではないよ。当たり前の話ですよ。どれだけ支援してもらえるかでしょう。時間もないことだし」 塩谷氏が動けば逆風が強まる懸念があることから、選挙戦に入ると“塩谷カラー”を消すことを心掛けた稲葉氏。しかし…。 (自民・静岡8区 落選 稲葉 大輔氏) 「残念ではありますが、今、相手候補の当確の情報がありました」「申し訳ない結果になった。私の力不足、おわび申し上げます。本当に申し訳ございません」 源馬氏に4万6000票の大差をつけられ、比例での復活もなりませんでした。出口調査を分析すると、自民支持層の5割弱しか固められず、4割が源馬氏に流れる結果に…。無党派層からの支持も、源馬氏に大きく差をつけられました。自民党関係者からは「塩谷さんが早く引退を表明していれば、もっといい戦いができた」という声も…塩谷氏は“大敗の原因”を語ることなく会場を後にしました。 (塩谷 立氏) Q.現在の自民党の状況をどう見ていますか? 「…」 (自民・静岡8区 落選 稲葉 大輔氏) 「もっと時間があればという、心残りがないと言えばうそになります」「やりきれなかったという悔しさがあります」 “裏金問題の震源地”とも表現された静岡8区は自民党候補にとって最後まで苦しい戦いとなりました。