今年こそ! 中日“強竜復活”に期待できるこれだけの理由。最下位脱出の生命線は投手力、懸念はやはり二遊間
ドラゴンズがAクラスを目指すうえでは、必ず…
前置きが長くなったが、なぜそんな昨季の状態から「今年は違う」と期待感を持つのか。もはやドラゴンズファンにとっては、シーズン前の夢想は風物詩となりつつあるが、今季のドラゴンズに期待できる要素を考えていきたい。 やはりドラゴンズというチームの生命線は投手力になるだろう。先発ローテは柳裕也、小笠原慎之介、高橋宏斗は確定として、左肘出術明けの大野雄大がオープン戦でも好投を見せているのは大きなプラス材料となる。ドラ1ルーキーの草加勝のケガによる長期離脱は痛いが、ここに涌井秀章、ウンベルト・メヒア、梅津晃大、6年目の飛躍を誓う根尾昂にベテランの松葉貴大らが控えるスターターは、質と量ともに球界でも屈指の陣営といっても大袈裟ではない。特にイニングイーターである大野の復帰は中継ぎ陣への負担減や、ムードメーカーとして投手陣に好影響を与えるはずだ。 個人的には、昨季にシーズンを通してローテを守った高橋宏斗は、もう一段階上のレベルへと登る投球を見せてくれるという確信めいたものがある。昨季はカウントを悪くして球数がかさむ試合も多く、146イニングと1試合あたりに換算すれば6回を下回った。今季はフォームの試行錯誤が続き、オープン戦でもピリッとしない内容が続く。本調子となるには時間を要しそうだが、高卒2年目から2年連続で防御率2点代半ばにまとめ、WBCでもマイク・トラウトから三振を奪うなど支配的なパワーピッチングを見せてきた高橋はそもそもの馬力が違う。ドラゴンズがAクラスを目指すうえでは、必ず高橋の活躍は不可避なこともあり、浮上のキーマンとしては高橋を挙げたい。 現状では計算はしづらいが、ローテ争いに根尾や梅津が本格的に絡んでくるようであれば、層はグッと厚くなり上位争いも現実的な話しになってくる。 中継ぎ陣の充実は、ドラゴンズの最大の強みである。絶対的なクローザーであるマルティネスへとつなぐためのセットアッパーも、松山に勝野昌慶、清水達也らが控えており、盤石といっていい布陣だ。去年まではブルペン陣にサウスポーが少ないことが懸念でもあったが、日ハムから加入した齋藤綱記の順応は大きく、福敬登、福島章太、橋本侑樹らがもう1枠を争う形になる。 リリーフ陣のキーマンとしては、橋本を指名したい。キャンプから好調を維持しており、課題のコントロールさえまとまれば、ファストボールの質やロングリリーフも可能な使い勝手の良さなどを含め、非常に大きな存在になりうる。 藤嶋健人の故障は気がかりだが、ここにベテランの田島慎二、ヤクルトから加入した梅野雄吾、ルーキーの土生翔太にも出番はありそうで、質・量ともに不安はほとんどない。