「相続はさせない」「見合いで通帳持参」難しいシニア婚活の的外れ感 亡くなった前妻の話ばかり「さみしい」連発
「時間も夕食どきですし、これから軽く食事をご一緒しませんか? もう少し、あなたの話を聞きたいし」 やっと解放されると思っていたみやこは、うんざり。 「これからもう1つ用事があるので、これで失礼します」と言った。するとみつのりは、「では、駅まで一緒に歩いていきましょうか」と、なかなかみやこを解放しようとはしなかった。 一刻も早く1人になりたかったみやこは、「ごめんなさい。トイレに寄って、電話をしてから帰ります」と、みつのりを振り切るように、その場を離れてトイレに向かったという。
■「離婚相手を痛烈に批判」もダメ 死別した配偶者は、美化されがちだ。どんなに素晴らしい相手だったとしても、お見合いの席で、その思い出話を未練たっぷりに話されても、いい気持ちになる女性はいない。 また離婚の場合、自分を正当化し、別れた相手だけを痛烈に批判するのも聞いている側は心地よいものではない。 シニアになると、それまで積み上げてきて経験がその人の価値観を作っていく。それを相手にわかってもらおうとしても、相手にも歴史と価値観がある。
お互いの考え方や結婚への価値観が、ピッタリと合致することは難しい。 シニアの婚活に大切なことは、お互いを許容し合い、認め合える広い心と優しさを持つことなのだ。
鎌田 れい :仲人・ライター