SNS上で米軍から盗まれた「銃や手榴弾」が売られる米国の現実
元米陸軍将校のブライアン・アレンは、2020年にノースカロライナ州にある陸軍基地で自身が所属していた部隊から推定200万ドル(約3億円)相当の軍用品を盗んだことを認めた。その中には、手榴弾や発煙弾、高出力レーザー、銃器スコープなどの膨大な数の武器が含まれていた。裁判記録によると、盗難品のほとんどは回収されなかった。アレンはそれらをすべて売却したという。 「被告が犯した罪は非常に重い。彼は、欲のために国家の安全保障と治安を危険にさらした」と検察官は述べていた。 提出された訴状と捜査令状によると、それから数年後、FBI(米国連邦捜査局)の情報提供者は同局に対し、あるフェイスブックユーザーとレーザー照準器を3250ドル(約50万円)で購入するための交渉をしたことを報告した。その後の調査で、そのアカウントの持ち主はカリフォルニア州サンタアナ在住のアーシット・タンジャパットクルで、アレンが盗んだ260以上の軍用品を入手し、主にフェイスブックのメッセンジャーアプリを使ってオンラインで販売していたことが判明した。 2人がどのようにして知り合いになったかは不明だが、 PayPalの記録によると、タンジャパットクルは2015年7月から2019年4月までの間にアレンに対して約150回の支払いを行っており、その総額は約27万7000ドル(約4200万円)にのぼる。捜査令状によると、アレンは今年2月に自宅で捜査官から尋問された際、タンジャパットクルの名前を思い出せなかったが、カリフォルニア州在住の個人に武器を売ったことは認めたという。 メタはサイトでの武器の販売を禁止しているが、銃や銃のパーツを宣伝したり販売するユーザーは後を絶たない。2022年にカリフォルニア州エルカホンで起きた十代の若者による銃乱射事件の犯人は、インスタグラムで武器を販売していた男から銃を購入したとされている。また、フォーブスは昨年、フェイスブック、インスタグラム、テレグラム、ツイッターで拳銃を自動小銃に変えるグロックスイッチが販売されている事例を複数発見した。