国枝慎吾、村田諒太、石川佳純……2023年引退アスリートたちの「最後の言葉」
■卓球:石川佳純
―– 「卓球に育ててもらったなと思います。卓球に夢中になって、必死で、夢中になった23年間だったなと思います」 ~2023年5月18日、石川佳純引退会見より ―– 5月18日に引退会見を行ったのは、長年に渡って日本の女子卓球界を牽引してきた石川佳純。2012年ロンドン五輪からリオ、東京と3大会連続でメダルを獲得。2017年の世界選手権・混合ダブルスでは自身初となる世界一に輝く活躍を見せてくれた。 10代選手が次々と台頭する卓球界において、30歳まで第一線で活躍を続けられたこともまた偉業の1つと言えるだろう。若手選手の突き上げのなか、最後まで諦めずにプレーできた要因について語る言葉で、石川佳純らしい、と感じたのは「責任感」の強さだ。 ―– 「自分自身に向き合うことを常に意識してきました。とくに、現役生活が長くなればなるほど苦しい時間も増えてくる部分は多かったですが、自分自身と向き合うことを諦めないというか、そこから逃げないという強いポリシーを持って、そこを最後まで果たせたことはうれしいと思います。プロとして18歳から活動して、たくさんの応援をいただいて、そこで100%を出すことは最低限の責任かと思って頑張ってきました」 ~2023年5月18日、石川佳純引退会見より ―–
■アーティスティックスイミング:乾友紀子
―– 「引退を決意した理由は、世界選手権を終えて振り返ったときに『悔いなくやりきった』と思えたから決意しました。それは大会の結果だけでなく、そこまでの過程1日1日をすごく濃い時間を過ごすことで、そこまでの積み重ねてきた日々に悔いがなかったと思えたので決意しました」 ~2023年10月27日、乾友紀子引退会見より ―– 水泳のアーティスティックスイミングで日本のエースとして活躍してきた乾友紀子。2016年のリオ五輪でデュエットとチームでともに銅メダルを獲得。東京五輪後は、五輪種目ではないソロに専念。すると、去年(2022年)と今年の世界選手権ではソロの2種目で日本選手初となる2連覇を達成してみせた。 そんな世界女王も10月に引退表明。会見で口にしたのは、小学6年生から指導を受けてきた恩師・井村雅代コーチへの感謝だった。 ―– 「本当に井村先生なしではここまで来られなかったと思っています。どんなときでも私の味方で、引っ張ってきてくれたからここまで来れたのかなと思います」 ~2023年10月27日、乾友紀子引退会見より ―– 今回は世界王者経験者に絞って「最後の言葉」を振り返ってみたが、ここで取り上げた5選手以外でも今年引退を決意したアスリート、熱い「最後の言葉」を振り絞ってくれた選手はまだまだいる。人を動かす言葉を持った彼・彼女たちの引退後の活躍も、2024年以降楽しみにしたい。