ECB利下げ、今年あと2回との期待「妥当」-フィンランド中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は今年さらに2回の利下げを実施し、2025年には中銀預金金利を2.25%程度まで引き下げるという投資家の期待は妥当だと、政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁が述べた。
今回、政策委メンバーとして金利の道筋に関してかなり明確な発言をしたレーン氏は、ECBはインフレ率が2%に戻ることを確実にしなければならないが、経済活動を過度に抑制すべきではないとの認識を示した。
レーン氏はヘルシンキで25日行われたインタビューで、「市場データを見る限り、あと2回の利下げが行われ、今年末までに3.25%、ターミナルレート(金利の最終到達点)としては2.25%、2.50%あたりになることが示唆されている」とした上で、「私の見解ではこれは妥当な見通しだ」と語った。
ECBは高インフレを抑え込むために歴史的なペースで利上げを進めた後、今月に利下げ開始を決定。それ以降、多くの当局者は最近の消費者物価上昇率や高止まりする賃金の伸び、地政学的摩擦に留意し、次の一手について慎重な物言いに終始している。
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投資家はなお24年に44ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)分の利下げがあるとみている。次の利下げは早ければ9月にも実施される可能性があり、10月までには完全に織り込まれている。
レーン氏はECBが特定の道筋をあらかじめ約束することはないと強調する一方、さらなる利下げ見通しは合理的だと明言。「ディスインフレプロセスが継続し、中期的に対称的な目標である2%に向かっていることが確認されれば、われわれがこの方向性を維持し、利下げを続けると想定するのは妥当だ」と語った。
最近のデータがオーバーシュートしているにもかかわらず、レーン氏は「ディスインフレプロセスが進行している」との見解を示し、「平たんな道のりではないことは常に分かっていた」とした上で、「われわれは木を見て森も見る必要がある」と述べた。