エリオットが東京ガス株を5%超保有、不動産縮小求める-関係者
(ブルームバーグ): アクティビスト(物言う投資家)として知られる米ヘッジファンド運営会社エリオット・インベストメント・マネージメントが、東京ガスの株式を5.03%保有していることが19日付の大量保有報告書で明らかになった。同社の保有する新宿パークタワーなどの不動産について、非中核事業だとして売却を求める。
事情に詳しい関係者が、匿名を条件に明らかにした。東京ガスは豊洲エリアに約20ヘクタールの広大な土地を所有するほか、映画「ロスト・イン・トランスレーション」の舞台になったパークハイアット東京などで構成される新宿パークタワーなども保有する。
関係者によると、エリオットは75を超える資産・プロジェクトは非中核で売却可能だとみており、資産価値は最大1兆5000億円程度とみている。不動産の売却や収益化により、資本効率と株主還元の改善を求めていくという。一方で、本業に当たるガス供給事業は現時点で問題視していないという。
エリオットはすでに東京ガス経営陣との協議を開始しており、同社が正しい方向に向かいつつあると考えているようだ。エリオットの広報担当者はコメントを控えた。東京ガスの広報担当者は、エリオットによる株保有は認識しているが、それ以上のコメントは控えるとした。
エリオットの日本での主要な投資は今年4件目で、ソフトバンクグループや三井不動産などの日本株式を保有し、ソフトバンクGに関しては、150億ドル(約2兆3000億円)相当の自社株買いを同社に求めていた。一方、日本市場での大量保有報告義務が発生する5%超の株式保有は5年以上行っていなかった。
--取材協力:小田翔子.
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Takako Taniguchi, Hideyuki Sano