櫻坂46藤吉夏鈴「3rd TOUR」で“変化”を自覚「少し寂しかった」
累計発行部数1300万部を超える咲坂伊緒の大ヒットコミックを2シーズンにわたって実写ドラマ化した、WOWOW初の本格青春ラブストーリー「アオハライド」。1月19日(金)から放送される連続ドラマW-30「アオハライド Season2」(毎週金曜夜11:00-11:30、WOWOWプライム/初回放送後にWOWOWオンデマンドで全6話一挙配信)で、吉岡双葉(出口夏希)、馬渕洸(櫻井海音)の二人の前に現れる新たな登場人物、成海唯を演じるのが、櫻坂46の藤吉夏鈴だ。洸に思いを寄せる唯の登場で、双葉と洸の関係に変化が生まれるSeason2。放送を前に、藤吉に撮影を振り返ってもらうと共に、グループ加入後から現在までで自身に起きた変化を語ってもらった。 【写真】馬渕洸(櫻井海音)に抱き寄せられる成海唯(藤吉夏鈴) ■方言のせりふは「新鮮で楽しくもあり、難しかった」 ――本作への出演が決まった際の心境と、成海唯を演じる上で心掛けたことを教えてください。 Season1から見てくださっている方は、双葉ちゃんと洸ちゃんの2人に感情移入している方が多いと思うんです。成海唯ちゃんは、ある意味で双葉ちゃんのライバルのような役なので「せっかく良い子なのに嫌われてしまうんじゃないか」と考えてしまって。 だから、私は「見てくださっている方の共感を得られるような、愛されるキャラクターになってほしい」と思いながら演じました。 ――方言での演技がとても自然でした。 私の母親が長崎県出身で、私も小さい頃に長崎に少し住んでいたことがあったので、方言を覚えているかもしれないと思ったんですが、いざ台本を読んでみると、かけらも記憶に残っていなかったんです(笑)。頑張って一から音で覚える作業は初めてだったので、新鮮で楽しくもありましたが、すごく難しかったです。 ■撮影期間は「洸ちゃんのことで頭がいっぱいで涙を流すことも」 ――藤吉さんから見た成海唯はどのような人物ですか? とにかく一途な子です。人に対してそこまで一途になれることを少しうらやましくも思いつつ、一途だからこそ、こんなに苦しんでいるのかなとも思いました。 登場人物の誰が悪いというわけでもないので、台本や原作を何度も読みながら、胸が苦しくなる瞬間がありました。「アオハライド」を撮影している期間は、グループでの活動に戻っても洸ちゃんのことで頭がいっぱいで、涙を流すこともありました。 ――涙を流すシーンは印象的でした。 ミュージックビデオで涙を流すシーンを撮影したことがあるんですが、その涙はドラマのように台本に書いてあるわけじゃなく、自分から流した涙なんです。今回のように台本に書かれているものに対して涙で表現するのは全く違う感覚で、本当に難しかったです。 ■俳優業は「新しいことに挑戦できるという好奇心もあり、毎日が刺激的」 ――他に、アイドル業と俳優業の違いで難しさを感じることなどはありますか? 「お芝居をしてみたい」と思うようになったのは、ミュージックビデオやライブなどで、曲を表現することが楽しかったからなんです。でも、実際にグループの外に出てみると、やっぱり全くの別物でした。 グループで曲を表現する時には、自分の中にある感情を大きくして皆さまにお届けする、というような見せ方をしているんですが、お芝居では自分の中に持っていない感情をモニターに通して伝えなくてはならないので、どうやって表現したらいいのか、とにかく難しかったです。 不安もありましたが、「新しいことに挑戦できる」という好奇心もあって、毎日が刺激的でした。 ■山崎天が「叫び声を上げてました(笑)」 ――グループのメンバーから本作に対するリアクションなどはありましたか? 山崎天に、私の後ろ姿だけが映っている予告映像を見せたら、叫び声を上げていました。思春期なのか分かりませんが(笑)、なんだか楽しそうにしてくれていたのでうれしかったです。 ――洸を手に入れるためなら手段を選ばないという唯ですが、藤吉さんが手段を選ばずとも手に入れたいものは何かありますか? 物欲はそんなにないんですが、これまでで一番大きい買い物をしたのはカメラです。私は一度欲しいと思うと買うまで気が済まないタイプなので、すぐに買っちゃいました。 ――物欲はないけど、欲しいと思ったら気が済まないんですね。 絶対に欲しいので、絶対に買います(笑)。 ■「3rd TOUR」から曲に合わせて切り替えられるように ――グループ活動についても伺いたいと思います。加入してから現在までで、ご自身の変化や成長を実感するタイミングはありましたか? 私は「3rd TOUR 2023」から変わった感覚があるんです。自分で「3rd TOUR」の映像を見返しても、自分じゃない人が映っているように感じます。「2nd TOUR(2022“As you know?”)」と「3rd TOUR」で、それくらい感覚が違うんです。良いことなのか悪いことなのかは自分では分かりませんが、確実に変わったと思います。 ――何かきっかけがあって、意識的に“変わった”のでしょうか? 何かを意識したわけではなく、勝手に変わっていました。それが自分では少し寂しかったんです。変わっていってしまう自分が怖くもありました。 「2nd TOUR」の頃は、一つの公演中にいろんな楽曲に合わせて自分を切り替えていく作業がまだできていなかったんです。でも、「3rd TOUR」からはコロコロと変われるようになっていて、それが寂しい。ただ、周りの方はすごく褒めてくださるので、それは良かったと思っています。 ■2024年は自身で撮影した写真を世に出せたら ――2023年は藤吉さんにとってどのような年でしたか? 新しいことをずっとさせていただいていました。グループ活動では、海外への進出や展覧会もさせていただきました。個人での活動も多く、刺激的な毎日でした。 ――では、2024年の活動で挑戦したいことを教えてください。 お芝居ももっと勉強できたらいいなと思っています。それから写真は撮っていただくのも好きですが、撮ることも好きなんです。まだ世に出せていない写真がたくさんあるので、それを面白い形で出せたらいいなと思っています。 ――藤吉さんが撮影したメンバーの写真ということでしょうか? いや、スタッフさんが多いんです。私が勝手に撮っているだけなんですが、いつか世に出したいです。 ――最後に、藤吉さんにとって“アオハル”な思い出を聞かせてください。 2023年にグループのメンバーたちとフランスに行ったんですが、その時にみんなとテラス席でご飯を食べられたことがすごく楽しくて、印象的でした。普段、テラス席で食事できるようなことはなかなかないので、青空の下でご飯を食べられたことがうれしかったです。 ◆取材・文=山田健史/ヘアメーク=渋谷絵里奈、スタイリスト=市野沢祐大(TEN10) ※山崎天の崎は正しくは「立つさき」