豪小売売上高、11月は10カ月ぶり大幅増 2月利下げを市場なお予想
Stella Qiu Wayne Cole [シドニー 9日 ロイター] - オーストラリア統計局が9日発表した昨年11月の小売売上高は前月比0.8%増加し、10カ月ぶりの大幅増となった。ブラックフライデーのセールで価格に敏感な消費者の支出が増えた。 ただ、アナリストはクリスマスに伴う需要が前倒しされた可能性が高いとみており、伸び率も市場予想(1.0%)を下回った。市場は2月に豪中央銀行が利下げに動くとなお予想している。 10月(改定値)は0.5%増だった。 11月は前年比では3.0%増加した。 指標発表を受け、豪ドルは0.2%安の0.6204米ドルとなった。 11月に百貨店の売上高は1.8%増、カフェやレストランでの支出は1.5%増加した。 オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのリードエコノミスト、ベン・ユディ氏は「オーストラリアではブラックフライデーセールの人気が高まり続けているため、統計局の調整では季節的な強さを効果的に捉えることができない。このデータから消費の基調的な力強さを読み取ることは極めて困難だ」と指摘。12月の売上高減で今回の堅調な伸びが相殺される可能性があるとした。 実際、2023年12月の売上高は11月の増加後に反転減少した。 野村のシニアエコノミスト、アンドリュー・タイスハースト氏は「2月に中銀が25ベーシスポイントの緩和を実施する確率を60%以下と予想していたが、現在では少なくとも70%に上昇している。ベースシナリオ通りに12月の失業率が上昇すれば、さらに自信を強めるだろう」と述べた。