レンディングのスカイ、ビットゴーCEOとの対話後にWBTCの担保除外計画を再考
メイカーダオ(MakerDAO)から名称変更した分散型金融(DeFi)レンディングのスカイ(Sky)が、影響力のあるアドバイザーからの新たな提言を受け、ラップドビットコイン(WBTC)を担保として除外する計画の一時停止を検討する可能性がある。 スカイの討論フォーラムでビットゴー(BitGo)のマイク・ベルシェ(Mike Belshe)CEOと長時間の議論が行われた後にこの展開となった。ビットゴーは8月まで、WBTCの裏付けとなるビットコインの唯一のカストディアンだったが、8月にトロン(Tron)の創設者であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏との戦略的パートナーシップにカストディを移転させる取引が成立した。 WBTCは、投資家がビットコイン(BTC)をイーサリアムブロックチェーンなどの他のブロックチェーンで使用できるようにするトークンであり、担保として分散型金融のレンディング分野で中心的な役割を果たすことが多い。WBTCの現在の時価総額は97億ドル(約1兆4065億円、1ドル145円換算)に上る。
サン氏のプロジェクトへの関与を懸念
影響力のあるスカイのアドバイザーであるBAラボ(BA Labs)は、このプロジェクトへのサン氏の関与について懸念を表明していた。プラットフォーム上のローンの約2億ドル(約290億円)が何らかの形でWBTCの担保に関連していたことを考えると重要な考慮事項だ。先週、スカイのコミュニティメンバーは、10月初旬から始まる5段階のプロセスで、WBTCを担保として除外するというアドバイザーの提言を進めることを圧倒的多数で可決した。 しかし、投票後もこの件に関する議論は続き、ベルシェCEOはここ数日間フォーラムで、新しいカストディの取り決めが誤解されていること、そしてサン氏が単独で構造を変更する能力を持たないことを大々的に投稿した。 ベルシェCEOは9月20日に、「彼らはビットゴーやビットゴー・シンガポールの『鍵管理の慣行に対して変更を指示する能力を持たない』」と記載した。この2社は、新しいカストディアンを制御するマルチシグネチャーの鍵を監督している。 その後24日に、BAラボは「追加の詳細と明確化により、WBTCの運用と鍵管理の現状について安心感が高まった」と記載した。 BAラボは、WBTCに対する担保のエクスポージャーが「現在のレベルである総借入額約1億7000万ドル(約246億5000万円)にやや低下した」ことを指摘し、リスクが「より許容可能な範囲」に減少したと述べた。 BAラボが「ビットグローバル(BitGlobal)がWBTCの署名者として機能することについては引き続き懸念があるものの、もはや即時の担保除外を必要とするレベルではないと判断する」とし、「したがって、担保除外手続きを無期限に一時停止することを推奨する」と述べた。