「世界の黒幕は…?」陰謀論をテーマにした映画(3)悪夢のラ・ラ・ランド…妄想と現実が混じる世界の闇は?
SNSの発達にともない、近年、世界を席巻している陰謀論。今回は、政府の陰謀や大統領暗殺、ロサンゼルスの闇の部分などを描く、陰謀論をテーマにした映画を5本セレクト。観たものを疑心暗鬼にさせ、イライラさせるが、最終的には爽快感すら感じさせる作品を集めた。今回は第3回。
『アンダー・ザ・シルバー・レイク』(2018)
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル 脚本:デヴィッド・ロバート・ミッチェル キャスト サム: アンドリュー・ガーフィールド サラ: ライリー・キーオ サムの友達: トファー・グレイス 【作品内容】 本作の主人公・サムは、30代になっても定職に就かずブラブラと暮らす男。ある日、彼はプールサイドで出会った美女サラにひと目惚れし、彼女をデートに誘う。しかし、翌日彼女のアパートに行ってみると、すでにもぬけの殻。彼女の行方を追う彼は、徐々にロサンゼルスの街がはらむ巨大な陰謀に取り込まれていく…。 【注目ポイント】 ハリウッドとビバリーヒルズを擁するカリフォルニア州ロサンゼルス。欲望と夢が渦巻くこの街には、幾多の夢破れた人々が暮らしている。「悪夢のラ・ラ・ランド」とも称される本作で描かれるのは、そんなロサンゼルスの影の部分である。 本作の最大の特徴は、ポップカルチャーへの膨大な言及。ゲームからアニメ、都市伝説に至るまで、さまざまなアイコンが随所に登場し、映画のカットにも、ヒッチコックをはじめとする映画史への目配せが感じられる。彼はこれらのアイコンを「暗号」のように読み解きながら、妄想と現実が入り混じる世界へと足を踏み入れていくのである。 さて、主人公のサムのモデルは、何を隠そう監督のデヴィッド・ロバート・ミッチェル自身。彼はのちに『イット・フォローズ』で世界的な注目を集めるが、サムはこの迷宮から抜け出せるだろうか?
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