【京都金杯】中京では「サウスポー」が高配当のカギ 注目は左回り巧者アスクコンナモンダ
荒れる”中京金杯”
関西圏の競馬はじめは中京から。3月には阪神競馬が再開されるが、その間、2024年に7回開催があった京都の負担を減らすため、年始の2開催は中京、京都に振り分けられる。 【ホープフルステークス2024 推奨馬】素質ピカイチ!前走タイムはイクイノックス超え 複勝率100%該当で信頼度◎ (SPAIA) 中京の金杯は21~23年の3年間行われ、勝ち馬は12、7、5番人気と荒れた。1枠1勝、4枠2勝で5枠から外は【0-1-2-21】。暮れから2週間空いただけだが、芝は内枠優勢だ。 京都金杯は伝統的に内枠が強く、京都も含め過去10年でも4枠から内【8-5-7-57】、5枠から外【2-5-3-80】。内枠から外枠へ流すのがベストだったりする。内枠に当たる引きの強さも好走には欠かせない。 データは過去10年分を使用。ローテーションなどを中心に京都金杯の輪郭をつかんでみる。 1番人気【2-0-2-6】勝率20.0%、複勝率40.0%は中京だと【0-0-0-3】。下り坂から末脚勝負になる京都に対し、中京は急坂が待ち受ける。中京適性も重要で、実績通りとはいかない。 3~5番人気も互角で、7番人気以下の勝利も。ハンデ戦らしく人気がアテにならず、10番人気以下【1-2-3-71】勝率1.3%、複勝率7.8%と気を抜けない。 年齢別もちょっと絞りにくい。確かに4歳が【4-2-3-31】勝率10.0%、複勝率22.5%と引っ張るが、5歳【3-3-2-28】勝率8.3%、複勝率22.2%、6歳【3-3-4-38】勝率6.3%、複勝率20.8%と優位性があるとはいえない。明確な傾向がないのも難解なレースの証だ。 回収率は5歳が高く、中京で行われた21年12番人気1着ケイデンスコール、23年5番人気1着イルーシヴパンサーは5歳だった。
OP5着は好走サイン
ケイデンスコールが勝った年は2着ピースワンパラディで左回り巧者のワンツー。翌年も左回りで強いザダル、ダイワキャグニーで決まり、中京の金杯はとにかく左回り巧者が人気以上に走る。今年も当然、サウスポーに注目だ。 京都金杯は前走重賞組と比べても、OP/L【5-2-4-47】勝率8.6%、複勝率19.0%や、3勝クラス【1-0-2-9】勝率8.3%、複勝率25.0%がそん色なく、クラスの壁がない。 前走OP1着は【1-1-1-9】勝率8.3%、複勝率25.0%と凡走がやや目立つものの、2~4着が【1-1-1-8】と、好走馬はそこまで差はない。5着【2-0-1-7】勝率20.0%、複勝率30.0%など少し負けた組からの巻き返しもある。ちょい負けゾーンにおいしい穴馬が潜んでおり、見かけたら押さえておこう。 前走キャピタルS5着アスクコンナモンダは中京4勝の舞台巧者でもある。リゲルS5着バレエマスターも3勝クラス突破は新潟マイルの長岡Sだった。昇級初戦の中京マイルのポートアイランドSは8着に敗れたが、リゲルS5着とクラス慣れしてきた。出走できれば重賞の今回で馬券圏内が狙える一頭だ。 重賞挑戦にあたり手ごろなハンデも前走OP組には必要だ。前走よりハンデが軽くなると、【3-1-2-19】勝率12.0%、複勝率24.0%、増減なし【2-1-1-23】勝率7.4%、複勝率14.8%。対戦相手との斤量差も大切だが、それ以上に前走との比較で自身の斤量が軽くなることがプラスに働く。 理想は別定のOPからハンデ重賞で斤量が減ることだが、増減なしもいい。重賞に舞台を移しても別定重量と同ハンデということは、ハンデキャッパーが実力を認めた証でもある。優秀なハンデキャッパーの見立てを信じるのも手だ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳