富士山「ネット事前予約」スタート…混雑緩和につながるか “登山鉄道”構想に地元の反発も…
さらに、いま、混雑対策として、山梨県が打ち出しているのが、“富士山の登山鉄道構想”です。 麓と5合目までをつなぐ道路「富士スバルライン」。ここに、次世代型路面電車=LRTを走らせるという構想です。 往復運賃を1万円とした場合、年間約300万人の利用を見込んでいるといいます。
山梨県は、運行本数の調整などで来訪者数をコントロールでき、排ガスによる大気汚染の改善も目指しているといいます。 観光客 「たぶん、あれば乗ってみたいなと思うかもしれないですけど、犬がいるので…ダメだと思いますけど」
しかし、構想に反対するのは、富士山の麓の「北口本宮冨士浅間神社」で長年、宮司をつとめる上文司厚さんです。 「富士山登山鉄道に反対する会」 上文司厚代表 「富士山はご神体でありますので、拝む対象。それに、これ以上、手を加えるということは、その信仰に反すると思います」 先月、山小屋組合や観光連盟などの有志と「反対する会」を発足し、先週までに2万4000人の署名が集まったといいます。
さらに、理由としてあげたのは… 「富士山登山鉄道に反対する会」 上文司厚代表 「“山を掘る”ということは、地盤が緩むとか、そういうこともかなり懸念されるのではないでしょうか」 先月には、水を含んだ雪が土砂といっしょに流れる「スラッシュ雪崩」が発生し、道路が一時寸断されました。また、活火山の富士山は“落石”も起きやすく、安全面で疑問の声があがっています。 これに対して、県は「土砂崩れなどに対し、安全対策を行っていく」としています。 また、富士吉田市の市長も反対を表明。
山梨・富士吉田市 堀内茂市長 「別に、EVのバスでやっても、まったく同じことだと思うんですね。そうすれば、何も自然に対して手を入れることなく、余計なお金も使わず、しっかりとした管理ができると考えています」 ◇ 今後も、県は住民説明会などを開き、地元の理解を得たいということです。