カワサキZ1はやっぱり魅力的だ!!! マニア垂涎の一台に迫る
1970年~1980年代に発売された国産旧車が、“絶版旧車”と呼ばれ人気だ。当時憧れていた世代はもちろんのこと、今どきのヤングライダーたちも“カッコいい!”と、注目する絶版旧車の魅力を、バイク好きの俳優・押田岳と元バイク雑誌編集長・カワニシが語り合う。今回はカワサキZ1にコンプリートカスタムを施した、マニア垂涎の一台に試乗! 【写真を見る】価格は不明!? 特別なカワサキ900 スーパー4 Z1ウエマツ30周年モデルの細部をチェック!!!(17枚)
ニューヨークステーキ作戦から生まれた
河西啓介(以下、カワニシ):ガクくん、「あの“絶版旧車”に乗りたい!」4回目にして絶版車の“王道”と言うべき1台の登場です。“Z1”ことカワサキ900スーパー4は1972年、当時のカワサキが「世界一の高性能モデルをつくる」と満を持して発表したバイク。型式を表すZ1は、究極を意味する“Z”と世界一を目指すという意味の“1”を組み合わせたものです。 押田 岳(以下、押田):その車名からしてすごい気合ですね! カワサキといえば“Z”というのは僕らの世代でも知っているけど、そんな意味があったんだ。 カワニシ:遡れば1960年代後半、当時のカワサキは2ストローク車をメインにしていたのだけど、時代は4ストロークに移行しつつあり、4ストのフラッグシップモデル開発が急務だった。ところがライバルたるホンダが、1969年に同様のコンセプトの「CB750」を発表し、先を越されてしまったんです。そこでカワサキは「CBを超えるモデルをつくろう」と、開発中だったエンジンや車体を全面的に見直し、1972年にCB750より大きな903cc4気筒エンジンを積んだZ1を登場させたという経緯があります。排気量だけでなく、DOHCのバルブ駆動方式や82psの最高出力もCBを凌いでいた。 押田:カッコいいストーリー! でも正直、Z2(ゼッツー)という車名はよく聞くんだけど、Z1のことはよく知りませんでした。 カワニシ:Z1はもともと北米市場に向けて開発されたモデルで、カワサキ社内ではその開発プロジェクトを“ニューヨークステーキ作戦”と、呼んでいたというのは有名な話。Z1が発売された1970年代当時、日本国内で販売できる二輪車は750ccまでというメーカー自主規制があったので、903ccのZ1は輸出専用モデルとなって、国内向けに750ccエンジンを積んで登場したのがZ2。だから日本ではゼッツーのほうが有名なんですね。