スペイン洪水被害、東部中心に死者95人 大雨の原因は寒冷低気圧か
スペイン東部バレンシア州を中心に発生した洪水の被害について、同国のトレス地域政策相は30日夜、死者が少なくとも計95人に上ることを明らかにした。地元メディアによると、被災地では停電や道路の寸断で救助活動が難航しており、今後も犠牲者が増える可能性があるという。 【写真】国民が敬愛した神父の性暴力、フランスに衝撃 疑念はバチカンにも 30日夜の国営放送RTVEのインタビューに応じたトレス氏によると、これまでに確認された死者は東部バレンシア州で92人、中部カスティーリャ・ラ・マンチャ州で2人、南部アンダルシア州で1人の計95人に上る。トレス氏は行方不明者がいることを明かし、「残念ながら死者はさらに増える見通しだ」と話した。 洪水被害が起きた地域では29日朝から断続的に非常に激しい雨が降った。スペインの気象当局によると、バレンシア州西部の町では同日、8時間の雨量が年間の降水量に相当する491ミリに達した。他にも1時間の雨量が100ミリを超える地点が相次ぎ、集中豪雨による鉄砲水が発生したとみられている。 地中海に面したスペイン東部から南部の地域では例年、夏の終わりから秋にかけて北側から地中海に流れ込む冷たい空気の影響で発生する寒冷低気圧が大雨をもたらすとされる。地元メディアは今回の洪水を起こした大雨についても、寒冷低気圧を原因として伝えている。(宋光祐)
朝日新聞社