G7がロシア凍結資産活用で合意、ウクライナに500億ドル支援へ
(ブルームバーグ): 主要7カ国(G7)はウクライナに約500億ドル(約7兆8640億円)の新たな支援を提供する仕組みで合意した。事情に詳しい関係者が明らかにした。支援は年内に始まるという。
G7は数カ月にわたり、2800億ドルに上る凍結したロシア政府資産が生む利益の活用方法を議論していた。匿名を条件に語った関係者によると、合意されたのはそれぞれの経済規模に応じてウクライナに融資を提供し、この凍結資産が生み出す利益を返済に充てるという方法で、イタリアで今週開かれるG7首脳会議(サミット)で承認される見通しとなった。ロシア凍結資産の大半は欧州に滞留している。
融資の仕組みは参加国それぞれの国内手続きに基づき異なるものとなり、凍結資産の生む利益が想定を下回る場合のリスクは各国が背負う。
最終的な技術的詳細はサミット後に調整されると、関係者は述べた。支援はウクライナの国防や経済、復興などに使われる。合意内容は13日のサミットで変更される可能性もある。
今回の合意はウクライナにとって重要な中期的な支援を確保し、2025年以降の同国の資金需要を一部補うものになると見込まれる。
G7にとっては、戦争に終わりの兆しが見えない中でもウクライナを長期で支援するという意思をロシアに示すことになる。
ロシア凍結資産は年30億-50億ユーロ(約5100億-8500億円)相当の利益を生むと見積もられている。EUは既に、この利益をウクライナに年2回提供することで合意済みだが、米国主導の今回の動きは支援を前倒しし、米欧で今年予定されている複数の選挙による政治的な変化からウクライナ支援を守る狙いもある。
原題:G-7 Agree How to Tap Frozen Russian Assets for $50B to Ukraine(抜粋)
--取材協力:Jennifer Jacobs、Josh Wingrove.
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Alberto Nardelli, Viktoria Dendrinou, Annmarie Hordern